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S&P500か全世界?【VOO・IVV・SPYとVTの徹底比較】

皆さん、ボンジュール!投資家Cuberです。

投資のポートフォリオを構成する時に、アメリカに投資することは欠かせません。
市場規模だけでも、アメリカは断トツ1位で、アメリカに投資しないと大きく損してしまいます。
アメリカの最も有名な指数(インデックス)はS&P500であり、それに連動するETFはたくさんあります。
一方、アメリカだけではなくて、投資分散のために様々な国に投資すると良いですが、日本・中国・インド・ブラジル・フランス等、1個ずつのETFを持つのも面倒と思う方が多いです。
そのために、全世界をカバーするETFも存在しています。
ただ、本当に全世界に投資しているのか?
そもそも、本当に分散投資になるのか?
なので、今日は、S&P500に連動している最大級のETFと全世界をカバーする最大級のETFを比較していきたいと思います。

①S&P500に連動する最大級のETF

念のため、おさらいですが、S&P500はアメリカの代表的な500銘柄を示す指数(インデックス)になります。
アップル、アマゾン、グーグル、フェイスブック、マイクロソフト、テスラなど、誰でも知っている超有名なアメリカの大企業が入っています。
実は、この500社だけでも、アメリカの株式市場の時価総額の80%以上をカバーしています。
以下に5年間のチャートですが、その間81.48%のリターンがありました。

SP500_5年チャート

なので、S&P500に連動するETFに投資することで、この500社に同時に分散投資することができます。
次に、運用資産の最も大きい3つのETFを紹介します。

 ◆VOO

VOOはバンガード社が運用する、2010年に設定されたS&P500のETFになります。
分配利回り1.57%、信託報酬0.03%となります。
なう、以下に5年間のチャートですが、その間82.23%のリターンがありました。

VOO_5年チャート

 ◆IVV

IVVはブラックロック社が運用する、2000年に設定されたS&P500のETFになります。
分配利回り1.60%、信託報酬0.03%となります。
なう、以下に5年間のチャートですが、その間80.84%のリターンがありました。

IVV_5年チャート

 ◆SPY

最後に、SPYはステート・ストリート社が運用する、1993年に設定されたS&P500のETFになります。
分配利回り1.53%、信託報酬0.09%となります。
なう、以下に5年間のチャートですが、その間81.09%のリターンがありました。

SPY_5年チャート

3社のETFの比較をまとめると、次の表になります。
なう、SBI証券の場合、どちらも買付手数料は無料です。

3社_比較

この表を見ると、「全部一緒じゃん!」と思うかもしれません。
まさしく、その通りです。w
ただ、SPYの信託報酬は一番高いですので、選ぶのであれば、VOOかIVVの方が良いです。
信託報酬は毎年このETFを持つだけで支払う手数料となりますので、安い方が良いです。

②全世界をカバーする最大級のETF:VT

VTはバンガード社が運用する、2008年に設定されたS&P500のETFになります。
分配利回り1.74%、信託報酬0.08%となります。
なう、以下に5年間のチャートですが、その間60.12%のリターンがありました。

VT_5年チャート

また、VTは「全世界株式」という名称が付いており、VTに投資すれば、1つの銘柄で全世界をカバーできると思う方が多いかと思います。
ただ、ここは少し注意すべきかと思います。
VTは8,789銘柄で40か国以上が含まれてはいますが、その構成を確認しなければなりません。
VTの市場別構成比率を確認しますと、次の通りになります。

VT_国構成

実は、「全世界」とは言っても、半分以上は米国市場になります。

③S&P500連動ETFとVTの比較

2020年のVOOとVTのパフォーマンスを比較しますと、次のグラフになります。

VOO_VT_比較

このグラフを見ると、VOO (S&P500)とVTは非常に似ている動きしていることがわかります。
つまり、S&P500が上がると、VTも上がります。
S&P500が下がると、VTも下がります。
1年間のリターンもほとんど同じです(VOO:14.15%、VT:12.77%)。

④S&P500連動ETFとVTを両方持つのは「分散投資」ではない

上記のデータを踏まえて、S&P500に連動するETF(VOO, IVV, SPY)に投資しても、VTに投資しても、同等な結果が得られることがわかります。
つまり、「分散投資のために、VOOとVTに投資します!」と思う方は、大きな間違いです。
S&P500は既に米国市場の約80%をカバーしていますし、VTの約60%は米国市場なので、実は2重で投資している銘柄が多いです。
例えば、アップル、マイクロソフト、フェイスブック、グーグルなど、S&P500の大きな銘柄ですが、実はVTでも大きな割合を示しています。

VOO_VT_銘柄

つまり、VOOとVTに投資しても、両方とも同じ動きしますので、分散投資になりません。

・結論

S&Pに連動する3つのETF「VOO, IVV, SPY」を見てみましたが、VOOまたはIVVで間違いないかと思います。
また、全世界をカバーするETF「VT」を見ましたが、こちらは実は米国市場に大きく連動していることも確認できました。
なので、例えば、VOOとVTに投資するのは、分散投資ではないことがわかります。
本当の分散投資をしようとすれば、S&P500に連動するETFに投資すると共に、様々な地域のETFに投資するとよいです。
日本であれば1306(TOPIX連動ETF)、インドであればEPI、新興国であればVWO、ヨーロッパであればVGKなど、投資したい地域のETFを確認し、個別に投資すると良いです。

2020年12月27日
投資家Cuber

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