2025年もインフレがテーマ
12月19日の日銀会合で、日銀は金融政策の現状維持を決定。
私は12月7日のnoteにも書きましたが日銀が利上げすると予想していましたので結果はハズレ💦
賃上げ見極め?
植田総裁は日銀会合後の会見で賃金動向について、もう少し情報が必要とコメントしましたが私は7月利上げ後の株価暴落がトラウマになって、二の足を踏んだのだろうと推測しています。
良くマーケット関係者は中銀総裁に「市場との対話が下手」だのなんだの言いますが、私はその手の話に共感できません。市場参加者の顔色などうかがう必要はないでしょう。
ハッキリ方針を明示し、その後はイレギュラーな状況でもない限りは淡々と方針に沿って動くべきだと思います。
・・・しかし、ここでそういった理想論を語ってもしょうがありません。
投資家やトレーダーは予想が当たろうが外れようが、現実を見据えて自分なりの仮説を立てて対処して行くしかありません。
今回、植田総裁は
「春闘に向けたモメンタム(機運)など今後の賃金の動向について、もう少し情報が必要だ」
と、コメントしましたが2025年の春闘の交渉は2月から開始され、中小企業を含めて3月末までに終結する見込みです。
となると、これは最短でも3月末までは利上げが見送られる可能性が高いということになります。
結果、日銀会合後は円安が加速。
現在ドル円は1ドル157円付近で推移しています。
日銀会合の直前にあったFOMCでFRBは利下げを実施しましたが、2025年の利下げには慎重なスタンスを示しました。この影響もあったと思います。
財務省は今年の7月11日、12日に2日連続でドルを売って円を買う為替介入を行いました。
1ドル162円目前で為替介入が実施された訳ですが、じりじりとその水準が近付いています。
燻り続けるインフレ
円安進行は輸入物価や光熱費の高騰に直結します。
加えて足元ではコメ価格、ガソリン価格上昇が問題視されています。
ただ、こういった声が出るとすぐに補助を再開するのが最近の風潮です。
のらりくらりと、物価上昇を税金でカバーしていく流れは続くのでしょう。
先日発表された10月の毎月勤労統計は共通事業所ベースの現金給与総額が前年比+2.7%と9月の同+2.9%から上昇率が鈍化。
一方で、物価上昇も鈍化していたため実質賃金は前年比+0.1%と微増でほぼ
動き無し。
賃金は上昇していますが、補助金無しでは厳しい状況。
2025年も賃金上昇は続くか?
2024年は33年ぶりの賃金上昇率となりました。
賃金上昇は2025年も続く、2025年も2024年を上回る賃金上昇になるという見方は多いです。
賃上げ率を業種別で見ると鉄鋼や造船が平均を押し上げています。
2025年も同じペースで鉄鋼や造船業の賃金上昇が続くかどうかに注目。
鉄鋼を代表する日本製鉄の業績をみますと2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比44%減と厳しい状況ですので、私は2025年は賃上げ率が鈍化すると予想しています。
困窮する年金生活者
また、厳しいのが年金生活者の方です。
マクロ経済スライドで賃金や物価が上がれば年金の支給額も引き上げられます。
今年の年金支給額は2.7%引き上げられたそうです。
ただ、上の記事でも書かれているように将来の給付水準を確保するため、物価や賃金の伸びよりは低く抑えられていて、実質的には目減り。
食料品価格やガス電気料金の高騰は家計を直撃します。
株や不動産といったリスク資産を持っている世帯と、持っていない世帯で格差が広がるでしょう。
・・・幸いなことにいまは原油価格や銅価格がそれほど上昇していませんので、米国では過度なインフレ懸念はありません。
この辺りは幸か不幸か中国経済の不振がインフレ抑制に寄与しています。
但し、原油価格や銅価格がそれほど上昇していないということは、言い換えればそれほど景気は良くないとも解釈出来ます。
株価には変調の兆し
今週のFOMCと日銀会合の結果次第では株式相場はクリスマスラリー、掉尾の一振というシナリオも有り得るとみていましたが、結果はそうなりませんでした。
日銀会合の後、円安が加速しても日経平均やTOPIXは下落しており、米株安の影響を受けています。
FRBがスタンスを変更した影響は大きいです。
8月の暴落以降、慎重なスタンスを維持していますが暫くそのスタンスは維持したいと思います。
最後までご覧頂きありがとうございました。