見出し画像

【第21話】神威岬へアタック! 積丹半島をゆく

こんにちは、旅する自転車です。
2017年北海道ツーリング6日目です。
積丹半島を走るべく、小樽までやって来ました!

↓前回のお話↓

小樽から倶知安へ

8月14日6時30分起床、朝風呂に入る。健康ランドの特権だ。風呂上がりに天気予報を確認。なんと晴れだ。積丹半島を走るにはぴったりの天気。早速走り出そう…と思ったが、ここであるプランを考える。このまま小樽→積丹半島→倶知安と走るのではなく、倶知安まで輪行し、そこから積丹半島→小樽と帰って来たらどうだろうか。これは“時計回りの法則”に基づいたもので、自転車は左車線を走るため、海岸に対して時計回りに進んだ方が海を間近に感じられるという考えだ。なので電車で倶知安まで行き、そこからスタートする意味があるのだ。ということで小樽駅へ。朝から青空が広がって気持ちがいい。8時過ぎの列車で揺られること約1時間15分、倶知安駅に着いたのは9時20分だった。駅前のコープで朝食用にパンを買い出発。まず目指すは積丹半島の付け根の岩内町だ。およそ26㎞の道のりで、120mアップ280mダウン。山道を越え、一気に港町へとやって来た。

昔ながらの駅舎の倶知安駅。2030年度の北海道新幹線延伸でこの駅に停まるようになるらしい
「んゃちっく」と書かれた古めかしい駅表示が設置されている
駅を出発するとまもなく山林へと入っていく。青空が広がっていた
かつて存在した岩内線の幌似駅舎を発見。客車が展示されていた
北海道らしい丘陵地が広がる。岩内町までもう少しだ

大荒れの積丹半島

岩内町には道の駅があるくらいで、ひと休みしたらすぐに立ち去った。しばらくは里山風景が広がっていたが、泊村あたりから海が見え、いよいよ半島らしい景色になってきた。が、それと引き換えに空模様は曇りへと変わっていった。積丹半島は平地に乏しく海に面して断崖絶壁が続き、そのためトンネルや橋梁が連続する。全長1㎞を超える茂岩トンネルを抜けると、神恵内村へと到着した。すでに13時30分でお腹はペコペコだった。お腹が空き過ぎて、とにかく米が食べたくて、名物でもなんでもないカツ丼を頼んだ。空っぽの胃袋に肉と卵が染み渡った。再び出発し、しばらくすると雨が降ってきた。ついに来たか、と思ったが通り雨のようですぐに止んだ。道の駅 オスコイ! かもえないを過ぎた頃に再び降り始めた。今度はどうやら本降りらしい。空も海もグレーに染まり、視界全体が無色の世界になってしまった。トンネルに次ぐ幾つものトンネルを抜け、積丹町へとやって来た。この頃には雨は止んでいたが、依然として鉛色の雲に覆われていた。

全長1142mの茂岩トンネル。トンネル内に村境の表示が掲げられている
神恵内村を走る橋梁。晴れて入れば素晴らしい景色が見られただろう
集落の食堂の何の変哲もないカツ丼。ここで飯にありつけなかったらどうなっていたことか
雨に包まれた国道229号。切り立った断崖と、いくつも浮かぶ小島が霞んで見えた
16時頃、積丹町へ到着。露わになった険しい岸壁が目の前に迫り、絶景の匂いが近づいてきた

ついに来た神威岬…だがしかし!!

国道229号から左に分岐する道があり、「神威岬」の看板が見えた。左に曲がり1.3㎞ほど走ると駐車場が整備されていた。神威岬は約80mの海蝕崖が北西に向かって一本の背骨のように続く景勝地。その険しさから日本海最大の難所として知られていた。駐車場から神威岬までは「チャレンカの小道」という散策路が延びていて、1㎞ほど歩いていかなくてはならない。およそ20分の道のりだった。岬に立つと、蝋燭のような形をした神威岩を見ることができた。空を覆う雲は少しずつ薄くなり、西の空にはうっすらと夕日が見え始めていた。それでも景色はまずまずだった。いや、全くもってがっかりな景色だった。海面は西日を受けて白く反射し、「シャコタンブルー」とよべる青色は全く見えなかったのだ。これは天気の問題ではなく、時間帯的に仕方がないのだろう。午前中であれば綺麗に見られるのかもしれない。それは実際に見ないとわからない。じゃあ明日、また来てみよう。ここから3.4㎞のところにある積丹ユースホステルを予約していた。今日はここに泊まる。宿に到着したのは18時過ぎだったが空はまだ明るかった。

岬と一緒に写真が撮りたかったが車両乗り入れ不可なので、看板と一緒に記録撮影
江戸時代は女人禁制とされ、それを伝える門が建てられている
駐車場周辺から国道229号を見下ろす。険しい断崖が続いているのがわかる
高さ41mの神威岩の背後には夕空が見える。明日は晴れるだろう
積丹ユースホステルに到着。すでにバイクライダーが数名いた
周辺には飲食店どころかコンビニも何もないので夕食付きプランに。ウニの小皿も単品で付けた

ユースホステルといえばドミトリーのイメージだが、予約できたのは個室だった。畳敷の居心地のいい和室なのだがなんと相部屋で、知らないオッサンと二人で部屋をシェアするものだった。相手はバイクで一人旅をしている方で、相部屋に対して思ったほど抵抗感はなかった。海岸線を走り北海道を一周しているらしい。乗る物こそ違えど旅への情熱は同じで、旅話に花を咲かせたのだった…。

次回、北海道編もいよいよ最終回!
2017年夏休みもラスト。シャコタンブルーは見られるのか…!!
つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?