マガジンのカバー画像

投機の流儀 セレクション

306
メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、… もっと読む
運営しているクリエイター

#市場

【投機の流儀 セレクション】「落ちていくナイフを途中で掴む」(拙著の言い分)「落ちてゆくナイフを2度掴む」(タワー投資顧問の清原達郎氏の言い分)

どんな相場にも中間反落はあるから、その時に銘柄を絞っていたのでは間に合わない。「落ちていくナイフを途中で掴む」底値を打った後は反発が早いから、下値覚えという病に取りつかれているから手が出なくなる。したがって、落ちていくナイフを途中でつかむ。そして、また落ちたらまたつかむ。これがナンピン買いだ。そのためには、今から銘柄の候補に目を付けておく必要がある。 筆者の大学資金を運用してもらったタワー投資顧問の清原達郎氏の近著『わたしの投資術』では「落ちてゆくナイフを2度掴む」と言って

【投機の流儀 セレクション】中小型株厳選で行くか?「勝ちやすい所で勝つ」か?

 先々週までの日本株式市場は、輸出関連株が下げた。これは言うまでもなく、米金利低下→円高警戒→輸出関連株を敬遠という経路をたどった。 総じて2023年いっぱいは円安、米景気好調、海外投資家買いの拡大→大型株に有利の投資環境→中小型株には向かなかった。 大型株に対する中小型株の劣後は、TOPIX100(時価総額と流動性の大きい上位100社で構成される)が23年年初から12月4週まで25%上昇した一方、TOPIXスモール(小型株で構成される)は19%高と劣後したが、それどころで

【投機の流儀 セレクション】特殊な基準を恣意的に採って、日本を卑下することはやめたい。そこからは何も生まれない

JPモルガンが若い時に父親に説教されたと話しを思い出す。この話しは本稿でも述べたことがあるし、拙著でも書いたことがある。「この国で成功したいと思うならば、この国の将来を明るいものと見なければならない」というのである。 以下に紹介するのは田中泰輔氏の言う例えである。「強力な筋肉増強剤を用いて、偶然も左右して、突飛な新記録を出した、その記録を基準にして後々の健康状態を、老衰した、弱体化した、あの時の自分は凄かったが今はダメだと言っているようなものだ」という言い分である。良い例え

【投機の流儀 セレクション】米国経済は減速するどころか、むしろ加速気味になっている

米は40年間最大の引き締めにもかかわらず、景気後退の気配が見えない。 米国経済は逆イールド現象が起きてから景気後退期に入るまでの期間はそろそろ迫っているが、米国経済は減速するどころか、むしろ加速気味になっている。 というのは、消費者信頼感指数(これはよく的中する)が高く、FRBも経済成長については一段強めな表現になってきた。今まではmodest(わずかな)という表現を使っていたが、現在ではmoderate(適度な)という表現に変えた。 利上げに反応するはずの住宅市場の長期

【投機の流儀 セレクション】衰退する日本(続き)

本稿の2月12号の第2部(12)で、この30年間の日本の衰退の諸現象として8項目ほど挙げた。それに対して、少々補足したい。その8番に博士論文の本数、この30年間で激減と述べたが、BIS(ビジネスインテリジェンス研究会)の第180回発表会のBIS会長の話しによれば、論文数の首位は5年間連続で中国科学院であり、日本は11位にも入っていないという。 また、スイスの国際開発研究所IMDの国際競争ランキングによれば、日本は1989年〜92年までの3年間(バブル頂上と下落当初)の国際競争

【投機の流儀 セレクション】この30年間の日本衰退の諸現象

①30年間の日本衰退の諸現象を明らかにし、その原因を明らかにしたい。その問題点を大きく改革する方法も考えたい、その政治意図があって執行の構えが在れば日経平均は4万円、5万円は夢ではない。現に4万円は1989年12月に一度通った道だ。(20世紀の最高値3万8915円)。 大国の衰亡は古代ローマの時代から例外なく経済の衰亡によって起こってきた。古代ローマも中世のヴェネチアも100年前の3つの帝国の崩壊(★註)も全て経済の衰亡によって起こってきた。 (★註)第1次大戦ドイツの第3

【投機の流儀 セレクション】円安局面の終焉

【投機の流儀 セレクション】円安局面の終焉 円の先高観が強まっている。今の円ドル相場は一国の経常収支とか貿易収支とか金利差などのファンダメンタルな条件ではなく、投機筋の動きに左右されていると思う。海外ヘッジファンドなどの投機筋が円売りの持ち高を解消している動きであろう。日銀の金融緩和の修正後に強まった円高の流れがここで一服し、政策決定会合の前の137円台を大きく上回ったままである。投機筋の動向が前後5~10円幅ぐらいはい左右するであろう。投機筋が本格的な円の買い越しに転ずる分