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東日本大震災十三回忌によせて

2023年3月9日(木)、全日本仏教青年会主催の「東日本大震災十三回忌慰霊行脚」に同行しました。これは東日本大震災の発生から12年の経過を機に、全国各宗派の若手僧侶が被災地となった福島県へと集まり、各々の宗派の祈りのかたちで、被災地を慰霊・行脚するというものです。

大先達(だいせんだつ、最も経験が豊富で先頭を歩いて下さる方)は、比叡山千日回峰行を満行された光永圓道(みつながえんどう)北嶺大先達(ほくれいだいせんだつ)大行満大阿闍梨(だいぎょうまんだいあじゃり)様。

当日は朝7:50に福島駅に集合。そこから参加者全員で相馬市の摂取院(真言宗豊山派)様へと移動し、そこで装束を整え読経。そこから行脚はスタートしました。

photo by JYBA

「全日本仏教青年会」の公式Twitterで速報された当日の様子はこちら。

途中休憩を挟みながら、妙楽寺(天台宗)様までの約10kmを約2時間で歩きました。道中、更地に一面ソーラーパネルが敷き詰められている様子を見たときには、想像が及ばないまでも、以前はどんな場所だったのだろう?どんな生活がここで営まれていたのだろう?と考えざるを得ませんでした。

ゴールの妙楽寺様のすぐ手前には、相馬市東日本大震災慰霊碑が。ここでは被災者の方々、震災ご遺族の方々がお待ちになられており、ご参列の方と参加僧侶全員で読経を。

慰霊碑のすぐ脇に、ひしゃげた看板がそのままの姿で残されていて、津波の高さを留めています。その場でお話しをして下さった方々の言葉を聞くにつれ、当時の恐ろしさが思い起こされます。

お昼過ぎに現地で解散し、筆者は福島駅まで向かう車に便乗させて頂いて、駅で散会しました。

それから2日後、3月11日には等覚院の本堂・阿弥陀如来ご宝前に於いて
「東日本大震災十三回忌慰霊法要」を執り行いました。


12年経とうとも、胸に去来する想いはお人それぞれあり、今回あらためて自然災害そして原発事故の悲惨さを噛み締めることとなりました。
被災された方々の日常に、どうかどうか日々の安寧がもたらされますようにと強く念じた、13回忌の春でありました。

(副住職 記)


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