誰といつどこで会ったかメモしよう

私はコロナウイルス渦中のヨーロッパに住んでいます。ほとんど人に会わないので「誰に会ったか」分かる状態ですし、そのような状態を保つのは大事だなあと思います。

日本、特に都市部は外を歩けばそれなりの人だかりに遭遇するのが当たり前だと思います。こちらはまず外出する機会が少ないです。最近は仕事を含めほとんど家から出ません。今日は10日ぶりに買い物に行きました。それから人口密度が低く、家から出てもすれ違う人は覚えていられるほどです。あなたが外出先で接触した人が他の誰と接触していたか、そしてその人がその先の誰と接触していたか(くりかえし)、つまり、感染者がいないと自信を持って言えますか?

まず真っ先にみなさんお気づきだと思うのが「新しい生活様式」を発表したのは安倍政権ではなく専門家会議であるということ。専門家会議は内閣官房の諮問機関ではあるけれど、政治的に独立していますので、政府の意向通りの発表をしたわけではないと思われます。例えば、今までは数カ月後までの感染者数や死者数の推計を数理モデルで政府や国民に対してオンラインで直接的に示したり、経済悪化の指標や推計には別のチームが必要で、最終的な政治の判断は政府がやってくださいという態度を通しています。すべての判断の主体が一人の人、または団体の配下にあるような間違いは、皆さんの正義のエネルギーを誤った批判の対象に注いで浪費してしまうことになるのでもったいない。

次に、"「誰と会ったかメモをする」というのは失笑"という点。確かに、公文書の改ざん、証拠隠滅を限りなくグレーなラインでやり続けてきた現政権は何をやっても国民から疑われるのは当たり前です。ですが、それとこれとは別というか、自分のためにメモをとったほうがいいですよというのが本記事の趣旨でございます。私も誰と会ったかまではメモを取りませんが、最低限出かけた日と目的をカレンダーに残すようにしています。そうすれば後から誰に接触したか思い出せますから。

すこし、この記事の公開のタイミングが遅れてしまいましたが、まだまだ有用ではないかと思います。日本では2020年1月の中国湖北省の武漢市のロックダウンの印象が強く、緊急事態宣言といえばそれが実施されると思い込んでいた人も私の周囲にはいたほどでした。私はクアランティーン(隔離政策)をご紹介します。私はもうかれこれ2ヶ月以上こんな生活をしてます。

- 外出原則禁止(1日一回の運動、ショッピングまたはペットの散歩は可)
- 政府が配布してるアプリを通してビデオコールがくるので、それで家にいることを証明するか、無理ならば警察によるランダムな訪問に応えなければ罰金(確か$200-400)
- 行動範囲が家から500mくらいに限られてきたので(後述の受動的、能動的理由で)、いざ自分が感染してたとして、お医者、衛生局に自分がどこに行ったことが原因か追跡可能(これ結構でかいことだと思う)
- ショッピングモールを含むどのお店もスーパーマーケットと薬局しか空いてない
- スーパーマーケットは正午まで高齢者専用
- 今のところ食糧不足は起きてない(自給率は100%前後)
- 外に出ても何もやってないので出る理由がない
- 外に出ても警察がメガホンで外出自粛を促してる
- ソーシャルディスタンス(2m)が義務付けられているため、レジの行列は間隔が空いている
- スーパーマーケットもどのお店も、病院も混んでくると入場制限がかかる
- ライセンスを持っているレストランだけがテイクアウトとデリバリーのみの営業をしてる
- 公園は閉鎖。遊具は触れないようになっている
- ショッピングは手袋着用が義務付けられてる
- 保育園、小中高校は全部休学(オンライン授業)
- リモートワークを導入できる業種から積極的に導入している
- できないビジネス、特にスモールビジネスは社員を解雇している
- 外出時の格好はマスク(義務化された)+コートが多い。帰宅時は外部に触れたものをアルコール消毒
- 家の外で2人以上の人が一緒にいてはいけない
- ただし、18歳未満は親の同伴が必要でその場合は人数にカウントされない
- 外にほとんど人がいないので、スーパーマーケットを往復してもどんな人とすれ違ったか覚えられる程度
- ロックダウン(国境封鎖)は実施中
- 居住権のある人だけ入国可能
- 海外向けの個人郵便物は受送信両方停止中
- トラムは土曜ダイヤで運行。半数の席が埋まったら乗車制限

もしも、風邪やインフルエンザに似た症状で病院やオンラインで診療を受けるとして、いつ誰に会ったかお医者さんに明言できるかどうかというのはいろいろと違いが出てきます。

まずは、自分を守るため。診断する側にとってはなんだかよくわからないけど風邪の症状がある人と、どんな人と接触したか説明できる人だと診断の難易度が違うのでないでしょうか。また外出する日を週1程度に限定することでいつ頃感染したか把握できます。もしも感染した際にどのあたりから症状がきつくなるか概ね想定がたつので自分を助けることになります。

それから、家族を守るため。もしあなたが家族と住んでいたとして、皆が毎日のようにいろいろな人と接触していたら、感染源の追跡はほとんど不可能です。外出する家族のメンバーは限定しましょう。行き先、接触する人も限定したほうが良いです。この病気は家族とのお別れを言わせてくれない病気です。もしも自分が感染源になったら一生悔やまれるでしょう。

最後に社会のため。もしもあなたが感染したとして、集団感染を防ぐために保健所からまずは濃厚接触者の聞き取りがあります。その際に、自分が誰にいつ接触したのか把握ができないのと、できるのではその後の感染の広がり方や追跡の可否に大きな差が出てくるからです。クラスタ感染対策の是非は別の議論としてありますが、感染の規模・範囲ができないために推計や医療従事者への感染が逆に増えて医療を圧迫しているという事態を踏まえますと、まずはある程度感染者数をコントロールが可能な状況が出来てきてから次の手を考えるべきでしょう。

そんなわけで、簡単にでよいと思うので「誰とどこで+いつ会ったかをメモする」という習慣をぜひ実行しましょう。

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