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コロナ渦、久しぶりに両親と会った

「今、お金無いから」と年末に地元に帰らず、新型コロナの流行。
しばらく、実家に帰ってない。

両親としょっちゅうLINEや電話をする関係性ではない。
目的もなく地元を離れて、30を目前に結婚の気配もなく、親不孝な自分に日々罪悪感を覚える。コロナ渦で気持ちが滅入っていたのもあると思う。
そんなとき、母親からLINE。

「今度、お父さんと東京に行くよ。会える?」

父親が、東京で行われる職場の式典に招待されたらしい。
永年勤続で表彰されるんだとか。
母親も一緒に東京に来るそうで、一緒に食事することに。

実家に帰れてないのに、東京で会うのはなんだか居たたまれない。「ホテルは私が予約する」と言っても断られるばかり。

父親の会社が、こんな不景気のなかラグジュアリーホテルで式典をするのも、永年勤続表彰の制度があるのも驚きだった。東京に本社があることすら知らなかった。

子どもの頃には考えたこともない社会人としての父親のカッコよさを思い知った。


両親に会う直前まで妙な恥ずかしさで緊張していたけど、母親はいつも通り優しく声をかけてくれて、なんとなく安心。

遅れて「おう、元気か」と声をかけてきた父親は、マスクをしているせいか痩せたのか、祖父にそっくりで驚いた。

両親から、地元のお土産や、式典で受け取ったらしい手土産、全部私がもらって、挙句、レストラン予約時にお店の人と作戦を練って支払いを済ませていた食事代も受け取ってしまった。

「こんなご時世だから」と、両親は東京タワーだのスカイツリーだので観光することも無く。
ただ式典に出て、私に会って、それだけで帰ってしまった。

会えたことが嬉しかったのは間違いないけど、
仕事がどうだとか、コロナがどうだとか、そんな時事の話ばっかりして、「近くに親がいたら相談できたかな」「両親は私に何をしてほしいのかな」と、日ごろ悶々としていたことを話せなかったのはなんでなんだろう。一緒にご飯を食べてるときも、なんだか情けなくて泣きそうになった。

常日頃「ありがたい」「親孝行しないと」と思いながら、会えばいつも通りのそっけない私になっている。


親孝行って何なんだろう。地元に帰ることなのか、孫の顔を見せてあげる事なのか。

私の事をもっと知ってもらいたいし、親のことをもっと知りたいと思う。けど、そんなのどうやって切り出すんだろう。他の親子は、日ごろからこんなことを当たり前に話せるのかな。もし両親に聞かれて、素直に話せる私なのかもわからない。

ムズムズ考えて、「でも、けど」とじれったい。大人としても、子どもとしても中途半端な20代後半。

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