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不完全永久プレパラート
2016年5月29日 19:27
酔っぱらって、調子にのっているとき「趣味はなんですか?」と聞かれて、いきおいで「俳句です」なんて言っちゃうことがあります。「しまったな~」とすぐ思うんですが、聞き手はたいてい「いい趣味ですね」「風流だ」なんて答えて、そのうえ「どうですか、一句作ってみてくれませんか」と来られると、もうお手上げ。「れんげ素晴らしくてわれわれは同じうそつき」もう適当に作っちゃう(まあ、この適当が自分の作品と
2016年5月15日 15:45
一時期、固有名詞をよく使ったことがあります。いまもときおり、使います。アクセントというか、句に違和感を与えるというか―自分ではそう思うんでしょうね。人名が好きでした。特にプロレスラー。プロレスのリングネームってうさん臭くて、それでいて的を射ていて、響きもいい。過去作を見てみると、・迷子となれ中年ブルーザー・ブロディのように・かのじょガム噛むダイナマイト・キッドが来る・アンドレ・
2016年5月13日 14:10
好きな作品はいっぱいあります。でも、好きな作家って考えてみると少ない。以前のコラムで、現代詩を書いていたことに触れました。なぜ、現代詩を書きはじめたか。西脇順三郎がいたからです。西脇の名前は、高校生のころから知っていました。ちょこっと読んだこともあります。作品は覚えていません。気になったことだけは、記憶しています。それから二十年後ぐらいでしょうか。つい最近ですね。長期入院す
2016年5月13日 10:06
前回のコラムで「てきとう」と書きましたが、作句の際、自分なりの工夫というか作法はあります。ひらがなをなるべく使う点です。自分は、俳句は音読しても楽しく、でもそれ以上に、文章を見て面白いと感じてもらいたいからです。だから漢字は堅苦しい印象になり好きではありません。ひらがなの方がゆるくて、それでいて羅列することで呪文のような効果があると思います。ほとんど作品の書き出しはひら
2016年5月12日 19:00
なんで、自由律俳句なんでしょうかね。これまで現代詩や有季定型の俳句は作ってきました。自由律俳句を始めたきっかけは、正直、覚えていません。ヒマだったんですかね。尾崎放哉、種田山頭火ぐらいは知っていましたけど。だから、何をもって「自由律俳句」なんだ、と聞かれても困るんです。しいていうなら、自分の呼吸のリズムにあった「俳句」―というぐらいです。説得力ありませんね。でも、五七五