俳句の作法

前回のコラムで「てきとう」と書きましたが、

作句の際、自分なりの工夫というか作法はあります。


ひらがなをなるべく使う点です。


自分は、俳句は音読しても楽しく、でもそれ以上に、

文章を見て面白いと感じてもらいたいからです。

だから漢字は堅苦しい印象になり好きではありません。

ひらがなの方がゆるくて、それでいて羅列することで呪文のような効果があると思います。

ほとんど作品の書き出しはひらがなです。

句の途中で漢字の方が伝わりやすい場合でも無理やりひらがなにします。

とくに最近の句はこの傾向が強いですね。


たとえば、

・頓服持って集まれ風の子海豚抱いて

うーん、悪くはないけどやっぱりひらがなにしたい。で、こうなります。

・とんぷく持ってあつまれ風の子いるか抱いて

あまり、変わりませんかね。

ひらがなでいうと自分は「私」は「わたくし」にします。

「わたし」ではありません。

もともと「私」の読みは「わたくし」でした。

常用漢字の見直しで「わたし」と読んでも、

いいことになったんですね、たしか。

自分の場合、「わたし」より「わたくし」の方が、リズムがいい。

そもそも一人称を使うかどうか、ひとそれぞれでしょう。

でも「わたくし」「われわれ」「われら」という言葉は、調子をととのえるとき、気持ちがいいんです。

・よじのぼる今日もあしたも立派なガムふくらませて

これを

・われらよじのぼる今日もあしたも立派なガムふくらませて

にしちゃうんですよね。長くなりますけど。


助詞もあまり省きません。

必要ないかもしれない「が」とか「を」を気にせず使います。

これもリズムをととのえるためです。見た目はごつごつしますけどね。

大層な理屈じゃありません。

自分の工夫、作法であり、ルールかな、と思っています。

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