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1-3話:再会

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日本と中東でスタートアップしています。
会社の創業ストーリーを連載しています。

1話:創業前夜
1-1話:すべてを変えることになる「筋肉」と「ブログ」
1-2話:重なるタイミング 
1-3話:再会 ※このノート
つづく
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もう一つのタイミング


古巣の新社長にダメ出しをくらって奮起した時から少したった頃、一人の後輩から連絡が来る。

僕がその口コミサイト時代にインターンをしてた学生で、当時からよくつるんでいた。
一緒にでかけたり、会社近くの公園でだべったり、休日の社員の集まりに呼んだり、旅行に行ったり、就職活動の悩みを聞いたりと、弟のように可愛がっていた。

その後、紆余曲折を経て誰もが知る大手ネット広告代理店に新卒で入社し、入社前研修で社長賞をもらうなど、入社前から活躍していた。

この時は全く連絡をとっていなかったのだが、当時僕が在籍していた会社(ニュースアプリ)の広告を代理店として扱っていることは聞いていた。

同僚や業界の別の知り合いづてに「頑張ってるよ」という話を聞いていたので、特に連絡を取ることもなく、便りがないのは良い便りぐらいの感覚で「うまくやってるんだな」と思っていた。

その彼から、半年以上ぶりにLINEが来る。

「お久しぶりです」

「おう、どうしたー?」

「体調、崩しちゃいました。仕事も休むことになりそうです」

「そうか、とりあえず話し聞こうか?」


その彼が社会人になってから1年ほど経過していたのがこの時で、久しぶりの連絡は悩みに悩んだ末に勇気を出してくれた連絡だった。

それから数日後、直接会って話聞くことになった。

自分と重ねあわせる


「おお、久しぶり!体調はどう?」

六本木の人混みの中で久しぶりに会った彼は、想像していたよりはマシと言うか、最悪の状態ではないように見えた。

直接会うのが久しぶりということもあり、いろいろな話をした。

彼の話は、この1年間どういうふうに仕事をしてきたと言う話から始まり、今どういう状況で何に悩んでいるのか。
仕事のことだけでなくプライベートなことも含めたくさんのことを話した。

・激務で体調を崩したということ
・病院で休むように言われたこと
・しばらく(おそらく半年)は仕事ができないこと
・会社を辞めようとしていること
・生活費に困ることになりそうなこと

仕事自体の悩みもそうだが、それに加えて仕事を辞めることでなくなってしまう給料分、生活費も稼がなきゃいけないという状況だった。
仕事はできないが、生きていくにはお金も必要。

自分も直前に似たような状況を経験してたこともあり、なにかしなくちゃという気持ちになっていた。

無い仕事の依頼

実は、LINEをもらったときに体調を崩してしまったことは聞いていたので、自分になにかできないか?は会う前から考えていた。

自分の経験で、長く仕事から離れると結局その後戻れなくなってしまう人をたくさん見たから、どんな簡単な仕事でもいいから少しでも触れていたほうがいいのでは?と、僕はそう考えるようになる。

誰かから仕事を受けてその対価として報酬を受け取る。
クライアントと連絡をとりあうことで、社会人としての感覚を鈍らせない。

少しでもいいので、仕事というものに関わってる状態でいることで

「自分はまだできる」

そう思って自信を取り戻すことができたら、そしてその手伝いができればなと考えていた。

そして
「最低限生活の足しになるだけでも、自分が報酬を支払ってあげられれば」
そう思うようになる。

そして、思ってしまってからは早くて


「俺が個人で仕事をもらうから、その仕事手伝ってみる?」

すぐにそう言い出していた。

少し前に、先の代理店の役員の方から記事執筆の依頼の話を持ちかけられていたときだったので、その仕事を回せば報酬を支払えるな。

という感覚だった。

だけど、まだ決まった仕事は何もない。
発注すらもらってない状況だったのだけど、自然と言い出していた。

今思えば、この時言ったことが本当に正解だったのかはわからない。
後に自分の周りでも悩む人をたくさん見ることになるが、肉体的、精神的に病んでいる人にまず必要なのは「頭を空っぽにして休むこと」だと今は思っているから。

特にこの時の彼のように精神的な悩みを抱える人にとっては、自分の経験を押し付けるよりもその人の気持ちを楽にする、辛いことを考えなくても良い状態にしてあげることが何より重要と今は考えている。

だがこの時は、「自分も悩んだが、長期間の休職などはせず続いていく日々の中で回復することができた」という経験から、「自分でもちゃんと仕事ができるんだ」と思いつづけてもらいたいという一心から出た言葉だった。


ともかく、こうして僕の

・自分のブログで生活できるレベルまで稼ぐ
・後輩の生活を助けられるぐらい(給料を出せるぐらい)稼ぐ

という超短期目標が、奇妙なタイミングの重なりで出来上がっていった。

とは言え当然仕事として記事を書くことも一人で仕事をもらうことも、することも、その仕事を誰かに渡すこともやったことはない。

すべてが手探りの中スタートしていった。


1-4話:手探りのスタート
へ続く(近々更新しましす)

↓一つ前のノート
1-2話:重なるタイミング


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