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[010] だらだら続けるより、すぱっと切ったほうがいいときもある。あるいは、一旦退却でもまだ続く?

☆10日め

毎日、惰性で生きてませんか?

悪い習慣だと分かっていても、やめられないこと、いっぱいありませんか?

現状を抜け出したいと思ってるのに、どうしてもその一歩が踏み出せない……。そんな経験、してませんか?

思い切って一歩を踏み出せば、今までできないと思ってたことが、実は「単なる思い込み」だったことに気づく。

人生って案外そういうもんなんですよね。

三十代半ばに、こんな経験をしました。

若い友だちが、大分の耶馬渓にボランティアがてら遊びに行くというので、現地集合でぼくも参加しました。

青春18切符でえっちらおっちら鈍行を乗り継いで、東京から大分の中津まで行って、駅からはお世話になる養鶏農家のおじさんの軽トラに乗りました。

土で汚れた作業着に身を包んだ気さくなおじさんの、生活感溢れる雰囲気を今もよく覚えています。

手伝いは草刈りのほかに何をしたのか、すっかり忘れてしまいましたが、ある日の午後、子どもたちを川遊びに連れていってくれと頼まれて、河原まで数人の子どもと一緒に行きました。

子どもらは勝手に遊んでるので、ぼくはぶらぶらとその様子を見ていたのですが、川の上に車道の橋がかかっていて、3 - 4 メートルくらいの丁度いい飛び込み台として、子どもの遊び場になってるんですよ。

で、その上から下を見下ろしてたら、小学校高学年の悪ガキがやってきて「怖くてここから飛べないだろう!」とか囃しながら、ぽーんと飛ぶんですわ。

こっちはいい歳をした大人のつもりなので、そんな挑発には乗らないよー、という感じで涼しい顔をして、橋から河原に降りて行きかけたんですけど、そのときはっと閃いたんですよね。

「そうか、あえて飛び込んでみてもいいんだな」って。

うちの兄貴は子どもの頃に、水泳用のプールで飛び込みをしてたんですが、ぼくはちょっと怖くて、やろうと思ったことはありませんでした。

でも今はもう大人なんですから、少しばかり怖いと思っても、子どもたちが普通にやってることをできないわけがないんです。

考え出せば、体の大きさも違うし、底が浅くて足を打ったらやだなとか、いろいろ言い訳は出てくるわけですが、細かいことは忘れて、とにかく飛んじゃえばいいだけの話で。

それで、パンツ一丁になってガードレールを乗り越えて、水面を見下ろしました。高いなー、とは思いましたが、考えても仕方ありませんから、あとは飛ぶだけです。

飛んでしまえばあとは一瞬のことで、ひゅーっ、ざぶーーーんっ、でおしまいです。

文章に書くと、そんな程度のことですが、これを書いていて、そのときの記憶が体に蘇ってきて、アドレナリンが分泌して体が熱くなり、ちょっと腰に緊張がきてます。

この「小さな思い切り」が、ぼくにとっては大切な経験となってるってことを、体が覚えてるんですね。

怖いなとか、嫌だなとか、あるいは不安だなとか思うことって、生きてれば無数にありますよね。

でも、それを思い切ってやることで、人生は変わっていくんです。

何も大きいことじゃなくていい。

あなたが今までネット上で文章を公開したことがないのなら、思い切ってそれをやってみる。

楽器がやりたいなとか、絵が描きたいなとか思っていたら、うまくできるかなんて心配せずに、とにかくできる範囲で試してみる。

逆に、今までやってきた悪い癖をやめる、というやり方もあります。

酒が、タバコが、やめたいけどやめられない。

そしたらまず、一日やめてみたらいいんです。

一日やめてみて「いいな」と思ったら、もう一日やめてみたらいい。

それが続けば、酒ともタバコともおさらばできるんだし、もしまた手にしてしまったとしても、それはそれでいい。

今はやめる時期じゃなかった、というだけのことです。

あるいは、今の会社をやめたいと思ってる。でも次のステップが見えないから、やめられない。

きちんとステップが見えてからやめられれば、そのほうがいいとは思いますが、人によってタイプがあるんですよね。

ぼくは次のステップなんて考えられない人間だから、大卒後に就職した会社は、二年足らずであと先考えずにやめました。

それ以来常勤で勤めたことはなく、人並みの稼ぎはありませんが、生きるのに困ったことは幸いありません。

* * *

この記事はヤヤナギさんのこちら
https://note.com/yanagingin/n/nfcd5ce5b1529
の企画に参加して、100日連続投稿を目指して書いているのですが、この10日め(その前の途切れちゃった分を合わせても2週間)をもって、無理な連続投稿は終了することにします。

三日坊主こそ避けられましたが、「100日続けるぞー」と言ったわりには情けないですよね(笑)。

でも、情けなくても大丈夫なんです。

もともと「連続」に意味があるとは思ってない人間だし、それが不得手なのは百も承知で、でも人さまの企画に乗っかるという形の枠組みがあればひょっとして、と思いながら走り出してはみました。

そうして走ってみると、どうしても自転車操業感が拭えず、毎日冷や汗をかきながら文章を書いているような始末で、これは切りのいいところでさっさと撤退宣言をしようという気持ちになりました。

「菜根譚」という中国の人生哲学の書がありまして、
https://amzn.to/3h3Z4Xa
「歩を進めるときには、退くときのことを考えよ」
という言葉が乗っています。

座右の銘といってもいいくらい気に入っている言葉で、この100日連続投稿を始めるにあたっても、この言葉を思い出していました。

無理をして続けたり、惰性でだらだらと続けたりするよりは、思い切ってすぱっと断ち切ってしまったほうがよいことが、世の中にはたくさんあります。

みなさんが、悪い癖を一刀両断に絶ち切る決断と、新しい一歩をためらわずに踏み出す勇気を持てますようにお祈りして、この小文を閉じたいと思います。

そして、無理な連続はやめますが、多分もう少しは続きがあるかも(?)。

てなことで、それではみなさんナマステジーっ♬

#コラム #エッセイ #茫洋流浪 #文章力 #文章術 #書くこと #文章力養成100日コース

[みなさまの暖かいスキ・シェア・サポートが、巡りめぐって世界を豊かにしてゆくことを、いつも祈っております]


☆この記事は、ヤヤナギさんがこちら
https://note.com/yanagingin/n/nfcd5ce5b1529
で企画している
#100日間連続投稿マラソン
に参加しています。

いつもサポートありがとうございます。みなさんの100円のサポートによって、こちらインドでは約2kgのバナナを買うことができます。これは絶滅危惧種としべえザウルス1匹を2-3日養うことができる量になります。缶コーヒーひと缶を飲んだつもりになって、ぜひともサポートをご検討ください♬