[005] 人生の流れをつかめ、今ここで。あるいは、信じる気持ちと文章力。
☆再出発 5 日め
北インドのハリドワルは、聖なるガンジス川がヒマラヤの山あいを降りて、初めて平野に流れ込むその川沿いにでき上がったヒンズー教の聖地です。
ガンジスという呼び名は外国のもので、インドの人はガンガーと呼びます。また「母」という意味のマーをつけて、マー・ガンガーと呼んだり、「(何なに)さん」の意味のジをつけて、ガンガー・ジと呼んだりします。
インドはどでかい平野部からなりますので、山から降りてきたばかりで、まだまだ冷気を帯びた大量の水が、まさに滔々と、斜度のほとんどない、木浴場の続くハリドワルの水路を一瞬一瞬流れ続けています。
ぱっと目測して、秒速1メートルくらいの速さで、100メートル以上の幅の水路を、膨大な量の水が水平に移動していくわけです。
この水の流れは、やはり一度実際に見てもらわないことには、そしてその水が運ぶ冷気を肌で感じてもらわないことには、なかなか想像してもらうのが難しいでしょう。
さて、山には山の、海には海の、そして川には川の力があります。
川の力は、流す力です。そして、運ぶ力です。
ガンガーの汚濁を流す力、冷気を運ぶ力は格別です。
インドの人は、このガンガーを女神としてあがめ、その力による救済を求めて、この地に巡礼をするわけです。
科学万能のご時世に、信仰心の話などすると、思わず引いてしまう方もおありでしょうが、若い頃にはばりばりの物質主義者だったぼくも、五十を過ぎてみると、いつの間にか信仰の力を信じるようになっているのだから、不思議なものです。
といってもそれは、必ずしも宗教的な考え方というわけではなく、神話的な世界観を信じるというわけでもありません。
ぼくの心にある信仰心は、ある意味科学的なものであって、この世界を成り立たせている科学的な法則に対する信頼感であり、それが時に残酷な結果をもたらすものであっても、そのことも受け入れた上で、この世に生を受けたことを感謝する感覚です。
ガンガーの流れを見ていると、自然の持つ力の強さを目の当たりにする思いがします。
この川の流れを起こしているのと同じ自然法則が、ぼくのちっぽけな体にも同じように作用しているのだと思うと、日常生活の中のあれやこれやの悩みや迷いは、この大きな力の流れに流してしまえばいいのだな、という気がしてきます。
自分ではどうにもならないことは自然の流れに任せて、そして自分自身もその流れに乗っからせてもらって、どこまででも流れていけばいいのだなと思うのです。
信仰心という言葉は、ぴったりとこないかもしれませんが、みなさんも何らかの価値というものを信じて、人生を生きていらっしゃることでしょう。
そうした信じる力こそが、生きる力の源であり、文章を書くときにも、同じ信じる力が言葉を生み出してくれるのだと思います。
自分がこの世界に感じるプラスの価値観というものを掘り起こし、そこから湧き上がる泉の水を汲み、そしてその水が大きな流れとなって流れ出していくとき、その流れをつかみ、その流れに乗って、自分なりの言葉を紡いでいく。
そんなふうに文章を書き綴ることができたら、楽しいとは思いませんか?
今はそんな夢を見ながら、日々、記事の更新を重ねているところなのです。
てなことで、それではみなさんナマステジーっ♬
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[みなさまの暖かいスキ・シェア・サポートが、巡りめぐって世界を豊かにしてゆくことを、いつも祈っております]
☆この記事は、ヤヤナギさんがこちら
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