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[文章力養成] 003 三日め、見えないものが見えますか?

☆3日め

あなたは、見えないものを見たことがありますか?

「いや、見えないものは、見えるわけないでしょう」と思う方もいるでしょう。

でも、これを読んでいるほとんどのみなさんには「見えないもの見る能力」が備わっているんです。

それは、頭の中に「心的イメージ」を描く能力のことです。

「目をつぶって海辺の景色を想像してください」と言われたら、空想の場面か、過去の記憶か、また、写真のようにはっきりしているか、少しぼんやりした映像かはともかく、何らかの絵を頭の中に思い浮かべることは、たいていの人が難なくできることです。

ところが、この「心的イメージ」を頭の中に描くことが、生まれつきできない人間というのが、全体の2%ほどはいると言われてるんですね。

で、ぼくはその2%に大当たりしちゃった人間なんです。

この現象は2015年に命名されたばかりで、アファンタジアと呼ばれます。

アは否定、ファンタジアは想像の意味なので、頭の中で「絵を想像できない」ことを示すわけです。

小学校のとき国語の時間に先生が、「目をつむってこの文章の景色を頭の中に描いててみましょう」と言うような授業がありますよね。

そんなこと、できるわけないのに、他の生徒は一体なにをやってるんだろうと、こっそり目を開けて辺りを見回したりしていたものですが、ぼく以外のみんなには、普通にできることだったんですね。

頭の中で絵を描けないからといって、生活の上で大きな不便があるわけではないのですが、普通の人ができることができないのですから、同じ話をしているはずが、なんだか話が食い違う、みたいなことは起こります。

それから、「人の顔が覚えられない」という現象は、相貌失認といって別に存在するのですが、アファンタジアの場合も、よく知っている人の顔を頭の中で思い浮かべることすらできませんから、ぼくの場合、軽度の相貌失認のケがあります。

ただし、まったく人の顔の区別がつかないわけではなくて、心的イメージを描くことはできないのに、よく知った人ならちゃんと見分けがつくわけですので、それはそれで不思議なんですけれども。

とまあ、人がこの世界をどんなふうに認識して、どんなふうに頭の中で想起しているかということには、さまざまなバリエーションがありえます。

だからこそ、頭の中に浮かんだことを言葉にするのは、一筋縄ではいかないとも言えます。

分かりやすい文章を書くとなればなおさらです。

他の人には簡単にできることでも、あなたにはできない場合もあれば、逆に他の人には難しいことが、あなたには簡単にできるかもしれません。

文章を書くときには、何が苦手なのかをよく知って、少しでもそれを克服することも大切ですし、あるいは苦手なことやらないですむように、それを回避する方法を考えるという手もあります。

たとえば頭の中に絵が描けませんから、ぼくには人の顔の描写は難しい。難しいけれども練習次第でなんとかなる部分も多いし、逆に人の顔の描写はしないで済ませるようにしてもいいわけです。

人の頭の中は見えないし、自分の頭の中を見せることもできません。

けれども、ネット上ででも、リアルででも、人とのやり取りを通して、あるいは無数にある文章読本を参考にして、いろいろなやり方があることを知り、自分に合ったやり方を見つけることができれば、文章を書くことが楽しくなりますし、できあがった文章も段々と読める文章、読ませる文章になっていくことでしょう。

今日は、見えないものを見る能力を通して、人それぞれの個性の違いについて考えてみました。

てなことで、それではみなさんナマステジーっ♬

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☆この記事は、ヤヤナギさんがこちら
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