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[019] 北インド、ハリドワル。外出制限の日々。

☆19日め

夕方のガンガーべり、頭がちょっとぼーっとしてる。

今日は空気がじっとりと重い。蒸し暑い空気のあいまに、ガンガーがヒマラヤから運ぶ冷気が切れ切れに流れてくる。

インドは3月から外出・移動制限が続いている。6月に入って制限が緩められ、その結果、新型ウイルスの感染者がかなり増えてきた。

ハリドワルでは、一時は外出制限は実質終わって、店の営業もほぼ通常に戻っていたのだが、感染者数が増えているため、先週から週末の外出制限が復活した。

といっても、最低限の必需品の店はやっていて、街の人も普通に外を出歩いている。

夕暮れ時になって、巡礼客のいない静かなハリドワルを、地元の人たちがくつろいで楽しんでいる。

4ヶ月もハリドワルにいて、買い物に行くことと、ガンガー沿いでしばらく過ごすこと以外は、ほとんど宿で過ごしてきた。

ぼくはそんな生活でも、それほど苦にならないのだが、一緒にいる奥さんは、少し窮屈なようだ。

それで今は、奥さんがホテルの部屋で一人でいられる時間を作るため、ガンガーの川べりでこれを書いている。

ビザの関係もあり、3月以来運休が続く国際線が通常運行を再開したら、日本に戻ろうかと考えているが、日本に戻ればお金がかかるし、取りあえず仕事のめどはないし、はてさてどうしたものか。

このひと月弱の間、こうして毎日記事を書いてきて、一定程度の成果はあったなと感じてはいるものの、それがすぐに十分な収入につながるわけでもない。

3.11以来混迷が続き、今回のウイルス騒ぎでいよいよ混乱に拍車がかかる日本に、今から戻って何ができるのか、できないのか、さっぱり見当もつかないが、まずはそこで起きている現実を目撃するために、いつものごとく特に何も考えないまま、何となくの心の準備だけはして、思い切って渦中に飛び込むことにしよう。

不安がないわけではない。けれども、解消しようと思ったからといって解消できる不安でもない。

無謀にも徒手空拳で、ロクに準備もしないまま現実と向かい合うのが、ぼくの人生の流儀なのだ。

奥さんにはそれが不満で不愉快だったりするのだが、不器用で傲慢なぼくにはそれ以外にやりようがない。

そこのところを分かってもらえないのがシンドイところではあるが、奥さんにもシンドイ思いをさせているのだから、甘えたことも言っていられない。

「あなたはわたしのことをこれっぽっちも考えていない」となじられることも多い奥さんとの関係性を、どうすればもう少し互いに納得のいくものにできるのか。

それが当面の課題ではあるが、簡単には見通しが立たない。

おまけにこの状況で日本に帰れば、関係が一挙に緊張するおそれも大いにある。

けれどもそのおそれを怖れることをやめ、過去という記憶の呪縛から逃れ、未来という想像の重荷を振り払って、さて、ガンガーの水の流れにすべてを任せることにできるだろうか。いや、とにかく任せてしまうのだ。

というわけで、連続投稿再開から数えて19本め、その前の途切れてしまった分を合わせても23本と、ひと月にも及ばず、中途半端な数ではありますが、これで一旦、連続投稿は休止することにいたします。

今まで読んでくださったみなさん、ありがとうございました。

これからもボチボチは書いていくつもりですので、どうかよろしくお願いいたします。

それではみなさん、ナマステジーっ♬

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☆この記事は、ヤヤナギさんがこちら
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