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川光 俊哉 Toshiya Kawamitsu
2019年3月30日 14:04
日食予報フラスコ 堕落 加速して分解されて 火山灰一輪車では 渡れないあなたのような 流れ星猫背で 近眼 もう 逃げてちいさな コロナ さみしがりあどけない うそ ラベンダー一面 白銀 珊瑚礁ゆるされないから 春 あらし夢はかなう と 何度目で窓辺のカーテン さなぎは眠りしずかにするから 心だけ最後でもいい 口に入れ朝をむかえて ここにいさせて
2019年3月26日 19:28
アンファンテリブルオレンジだけが栄養源ひとつに溶けあう まわれ右つぼみのような尖塔のしずかな窓辺の息づかいしずく 手のひら 受けようとあくびしながら あおむけにノスタルジアと はがれ 落ち地の果て たゆたう さざなみださみしい 退屈 いすの上焼けつく ひたい 反響し思いあがった ガラスのいれものおさないままで 無知 不潔あなたのほどけた髪の下炎 きれいで で
2019年3月23日 10:04
白雪虫悪い予感のするほうへかおり たずねて プラタナス暗いトレモロ 鳴るほうへまどろみ 引き裂き 身をゆだね両手いっぱい むらさきの朝顔 かかえて 会いにきたテーブルの下 身をひそめものうげ 慈愛に そだてられ小声で ただいま 無視されてつまんで 捨てられないようにコイン みがいて 絢爛 火花悲痛なまでにモノクロで横断歩道の牢獄でそこで 一生 明滅している
2019年3月19日 20:41
黄金風景黒いまつ毛は暗闇でゆらめく 煙 吐くようにここにも夜風はしみこんで明日の予定は日光浴壁にまたがり あどけないうつろな目をして 残酷でほくろをつないで 国境でにくしみ 燃やす 光 影たとえまちがいだとしても庭のポプラは三本で裏切り者に やすらぎ なくて大きな音は循環しあなたの頭痛の処方箋防波堤から 蜃気楼 見て
2019年3月17日 00:16
アンバーグリス浸透圧が飽和してアクアリウムは花をつけ大いなるとき すべて 無垢苦痛がなくては鳴けないとしずまることのない鼓動月から降ってきたように光の魚のために舞う葉末をわたる鐘の音毎朝 みがいた物質も翌日 影絵 もう 虚構あこがれにみちた孤独の心あなたがあなたであることをうれしがる いま 雪を食べ魔法を拒絶し なにも残らず
2019年3月16日 00:59
漂白図書館のなか 羽根帽子かぶった動機は あいまいでなんてちいさな骨だろう青い果実に雲 かかりデンドロビウム 生えてきた星がひたいにある子供よろけて くらげ たよりなく唾液をあまくする雨が音符 句読点 むすぶでしょうイントレランス 落下傘十日物語 終わってしまう蝉は呼吸の練習であなたは海辺に廃棄されしょせん 風紋 跳梁 波紋
2019年3月14日 09:18
肌色城塞配色 まちがえ 濃い ヒスイ夢にまで見たイノセンス逆光だから まっくろで理由のひとつにすぎなくて気持ちがよくて あまりにも早い 結末 やまあらしうつくしいもの 待つうちに流れこもうと そこにいた菩提樹 ゆらぐ ピアニシモコハクのブローチ かがやかせ旅の王子が黒猫 抱いてまるで こがねのアーモンド弱虫だから失敗で並木道では いま 讃美歌が
2019年3月13日 17:09
暗黒神殿二足歩行のいけにえは片足 忘れ 泣きだして蜂蜜色の やわらかい空気のなかに溶け去って木のぼり 得意で でも 内気ゆらめく点たち 水浴びの光景 たぶん かすみ 晴れ花壇がそこにあらわれる炎熱の空 憎悪するまだ未完成 感受性みどりの苔と灰色の岩外の世界を知らず 生きあなたのかなしさ 気づけずにこおりつく 指 窓枠 アルミ
2019年3月12日 16:36
季節のあるじへ暗い色 着て かわいそうつかれたようだ 断片をはがされ 開花 さびついてしわがれた 声 ばらまかれあなたを知れば 夏を知るひと月先の風が吹くはじめて姿を見せる 午後現実 まばゆい 展望台傷つけられて わがままで眉をひそめた 友達に胎動 聞かせず こっそり 萌芽無害なままで あざやかに野山を かざる チョークの輪自分のことなど考えず いる
2019年3月10日 18:22
ジェミニの廊下象牙のゆりかご きしむ 音つばめがかえる 石の下人目にふれず 幻滅し水は 心をそそられずゆめみて めざめ その リズム片目 つむって 八月は軽蔑される 汽笛 鳴るビニール傘に 白いリボン魔法と なづけた 貝殻のかたちは残る フランネル虹や 夕日のつもりで おどるふいのおとずれ この 連鎖ふざけて かぶった 紙ぶくろひとり ふたり と 牛乳に 溶
2019年3月5日 01:29
夜行性さみしい顔して 不機嫌で長い足には長い影オーロラ つかんだ 太陽樹黒い土 踏み 遠すぎて擬人法にも忘れずにつばさ 背中に 色白で月の光の花 つめばかなしいけれど標本でいまでも 共存 あきらめず声をたよりに見つけだしただ かがやかせるために生まれた呼吸と生命 その におい大切にしてもらえたら街灯の下 それでも 退屈
2019年3月3日 16:12
誰悲痛な願いは誰のもの不潔な両手で拍手してやっぱり 見つかる ぜったいにわかちあえない 角砂糖わたし以外に存在しはじめて立った この一夜画廊で置き去り 鼻づまりかくれて そっと ひざまずくやさしい余白を取り返しなにより しあわせ 水上の音楽 ただよう 輪郭 厳禁腐敗の準備は誰のためすずしい 暗い 眠れないたった ひとくち 永久保存