白雪虫のコピー

詩 270

  白雪虫

悪い予感のするほうへ
かおり たずねて プラタナス
暗いトレモロ 鳴るほうへ
まどろみ 引き裂き 身をゆだね

両手いっぱい むらさきの
朝顔 かかえて 会いにきた
テーブルの下 身をひそめ
ものうげ 慈愛に そだてられ

小声で ただいま 無視されて
つまんで 捨てられないように
コイン みがいて 絢爛 火花

悲痛なまでにモノクロで
横断歩道の牢獄で
そこで 一生 明滅している

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