アンバーグリスのコピー

詩 268

  アンバーグリス

浸透圧が飽和して
アクアリウムは花をつけ
大いなるとき すべて 無垢
苦痛がなくては鳴けないと

しずまることのない鼓動
月から降ってきたように
光の魚のために舞う
葉末をわたる鐘の音

毎朝 みがいた物質も
翌日 影絵 もう 虚構
あこがれにみちた孤独の心

あなたがあなたであることを
うれしがる いま 雪を食べ
魔法を拒絶し なにも残らず

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