季節のあるじへのコピー

詩 264

  季節のあるじへ

暗い色 着て かわいそう
つかれたようだ 断片を
はがされ 開花 さびついて
しわがれた 声 ばらまかれ

あなたを知れば 夏を知る
ひと月先の風が吹く
はじめて姿を見せる 午後
現実 まばゆい 展望台

傷つけられて わがままで
眉をひそめた 友達に
胎動 聞かせず こっそり 萌芽

無害なままで あざやかに
野山を かざる チョークの輪
自分のことなど考えず いる

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