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お客様をファンに変える。熱エネルギー型のブランド論

こんにちは、ファクトリエ代表の山田(tocio_yama)です。

ファクトリエは、「語れるもので、日々を豊かに」をミッションとしています。日本各地のこだわりを持った工場と一緒に、語れる(=ストーリーのある)洋服を作り、心の温度を高めるブランドです。

長く使って頂くために・・・

①トレンドではなく普遍的なベーシックなデザイン

②ずっと愛用できる高い品質

③誰かに話したくなる、ユニークな技術による機能性

④作り手の温度を感じられる安心感

を大切にしています。

ありがたいことにファクトリエは、ファンの多いブランドとして「ファンベース 支持され、愛され、長く売れ続けるために(佐藤尚之さん著)」「熱狂顧客戦略(髙橋遼さん著)」などの本で、取り上げていただきます。

では、”お客様=ファンをどのように作り、どんな未来を目指してるか”について書きたいと思います。

1.ファンを育てる大切さ

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(こんな小さなお子さんも将来のファン候補の一人です 笑)

小さな企業には、潤沢な広告予算がないため、やれることはPRとSNSの可能性を信じることだけだと思っています。

どんなブランドであれ、成長する過程において顧客の期待値を超える価値ある商品を作っているはずです。そんな商品・サービスに感動した顧客が口コミで友人に紹介し、ブランド力は、さらに高まります。

逆に言うと、このサイクルができなければブランドは作れないと考えています。ユーザー視点で商品を作り、そこから「世の中になかったが、欲しかった」「長く愛用できる品質」という感動を体感していただき、口コミでファクトリエへの思いを広げていただくサイクルを大切にしています。

特に、ユーザー視点で「困ってる人を助けること」の大切さはヒシヒシ感じています。熱エネルギーは熱い方から冷たい方に行くので、エネルギーの流れる方向は決まっています。結果がうまくいかない時は、必ず自分が間違ってます。自分が間違っているとわかれば、自分を変えることができるため、その繰り返しで、お客様がファンに変わっていくのではと考えています。

2.私たちの「ありたい姿」という旗を立てる

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(北海道から沖縄まで、日本各地の55工場さんとご一緒してます)

自分たちにとってのお客様は誰なのでしょうか?

まず、私たちの理念に共感してくださる方=お客様と考えました。

そのため、まずは「自分たちの目指す先、ありたい姿」の旗を立てよう。

ファクトリエは、3%まで衰退した国内アパレルの工場の技術を、お客様にとって価値ある商品として届ける役目を担っています。

これまで搾取されてきた生産者に適切な金額を支払い、消費者も直接購入できることでこれまでより安価に買える、というWIN-WINの関係を目指しています。

きれいごとに聞こえるかもしれませんが、私は正しいことをしていれば、それが事業として成立すると思っています。つまり、顧客の期待値を超える商品をつくることによって、笑顔の数に見合った売上を生み出すことが可能という考え方です。

もちろん、理念を掲げるだけでなく、お客様の悩みや課題を解決する商品作りに励んでいます。

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例えば、汚れをはじく白いコットンパンツ、形崩れしないポロシャツ、穴の開かないソックス(永久交換保証)、育てるカシミヤ、エアーブルゾンなど。「これに困ってた!」を解決する特徴的なアイテムを日本の技術で作っています。

また、日本のものづくりを応援できる(工場の職人から手紙が同封されていて、職人とやり取りができる)のも特徴です。

3.メンバーの熱が、余熱として外へ伝播

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前述した「語れるもので、日々を豊かに」のミッションに共感し、集まってくれるのは、お客様だけでなく、他ならぬメンバーがいます。ファクトリエの採用は、「マインドとスタンス」を大切にしており、「理念への共感」があれば、今スキルがなかったとしても「明日の伸びしろ」で採用します。

「理念への共感を第一」とする理由は、人は好きなことには敵わないと思ってるからです。人は外的動機付けで強制されるより、自発的な内的動機の方が力を120%発揮できるのではないか。つまり、「仕事から私事へ(好き→夢中になる→学ぶ→自分事化)」という考え方を大切にしています。

また、昨今は「ブランディング」という言葉が流行っていますが、私はそんな事できるのだろうかと懐疑的です。ブランドとは、「不特定多数の人がそのブランドに持つ、イメージの集合体」。そのため、どんなにカッコいいホームページでも、問い合わせへの対応が悪ければマイナスですし、お店の販売員の態度、社員のSNSなど、360度、多面的にお客様に見られています。ですので、外側をよく見せるのではなく、内側から変わっていくことが重要です。そのためには、どんなにスキルがあっても、ミッションへの共感が薄い人は長く続かないので採用しないことにしています。

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4.お客様はどんな方?

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(多くのお客様が参加する、ものづくりの体験イベント)

年齢層はさまざまで、同じ価値観・関心軸を持つ方が多いです。

-長く使えるベーシックな洋服が欲しい

-クラフトマンシップの宿る、こだわりを身に付けたい

-ミニマルでシンプルな生活がしたい

-生産者の方の顔が見えることで安心できる

そういった嗜好性を持つお客様が、ファクトリエの商品を愛用し、工場ツアーなどのイベントで作り手の皆さんとの交流を楽しんでくださっています。

ファクトリエの商品はトレンドを追うことなく、ファストファッションのような低価格でもありません。価格は決して安くありませんが、長く使える品質であること、たくさん着回しができることから、価格以上の価値を感じていただいているのだと思います。

5.顧客ファーストで、声を活かしきる

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(イベントで工場さんと話をするお客様)

毎年、NPS(Net Promoter Score)アンケートを実施しています。いわゆる健康診断として「顧客にとってファクトリエへの満足度はどうか」を数値で見ています

組織体制として、ファクトリエにはカスタマーサポートとカスタマーサクセスチームがあります。カスタマーサポートは日々の業務(ラッピングやメッセージなど)個別の問い合わせに対応し、カスタマーサクセスは、顧客の抱える本質的な課題を部署を横断して解決するチームです。

さて、どう活かしているか?を具体的にお話ししたいと思います。

NPSアンケートの数値やコメント欄から、カスタマーサクセスチームのメンバーが「たくさんの人が書いているテーマ」「最近、急増しているテーマ」「少数なんだけど気になるテーマ」の3つに分類し、できるだけスピード感を持ってサービスへ反映しています。

例えば、「身長別のサイズが知りたい」との声が多かったので、商品ページにはファクトリエメンバーの身長別のサイズ感を掲載。

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(身長別にサイズが分かりやすいよう社内メンバーで撮影)

また「近所に試着する場所がないから困る」との声には、早速、ポップアップを開催。サイトだけではわからない、素材やサイズへの不安を解消できるようにしました。

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(お客様の声から7月に開催した博多のポップアップ)

「傾聴」として様々なお客様に月10名ほど、直接ヒアリングの機会を作り、「どのような職業で、なぜ、この商品を購入されたのか、ファクトリエに感じてくださっている価値は何か」を細かく伺います。 お客様になりきり、商品をどのように購入しているのかを調査し、全体像と詳細を把握します。

最終的に、顧客の声をもとに自社が取り組むべきアクションを決めます。具体的には、こちらも3段階に分けるようにしており、「実現に長時間かかる理想のアイディア」「少し時間がかかるアイディア」「すぐにできるアイディア」です。前者2つは、中期経営計画に盛り込み、すぐにできるアイディアはどんどん実現させていきます。

6.アンバサダー始めました

冷やし中華はじめました、的な感じで書きましたが、今回20名の方に、アンバサダーになっていただきました。笑

アンバサダーと聞くと、「有名人にお金を払ってSNSで拡散してもらう」というイメージかもしれませんが、ファクトリエのアンバサダーは一般のお客様で、もちろん告知の強要などありません

選定基準は、まずは銀座、名古屋、熊本のお店のコンシェルジュがよく知っている方で、理念や商品についてご存知の方にアンバサダーになっていただきました。

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前述したように、何かファクトリエについて発信してくださいということはなく、商品・サービスについてリリース前にヒアリングしたり、使用感をフィードバックいただくなど、お客様満足のサイクルを近く・早く回していきたいと考えています

今はライングループで、コーディネートが投稿されたり、お店に遊びに行きました、という投稿があったりと、心理的な安全性が保たれた、あたたかい場所になってきています。

7.共感軸のコラボレーション

ファクトリエの取り組みに共感してくださるブランド・企業・個人さんとコラボレーションとしてご一緒させていただいています。取り組みするかを決めるのは、「価値観に共感いただけるか」の一点のみです。そうすると、お客様が「あそことコラボするのね!」と喜んでいただけることが多いです。

少しコラボレーションの例をお伝えすると・・・

浅田真央さん

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ファクトリエの長年のお客様で、プライベートでは岩手の工場見学にも来てくれました。そのご縁からアイスショーの「THE ICE」、引退後の「サンクスツアー」Tシャツをファクトリエが作ることになりました。

サンクスツアーは全5種類のTシャツがありますが、全てのデザインが真央ちゃん本人のデザインチェックを経て、何度も手直しされて作られています。笑

こんまりさん

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2019年に放送されたNetflix「人生がときめく片づけの魔法」では、全8話を通し、さまざまな世代、人種、家庭の問題が、片づけによって解決されていく感動のストーリーを観られます。ご主人の卓巳さんがファクトリエのお客様であり、一緒に工場見学にもきてくださるなど、日本のものづくりの可能性に共感いただき、ご一緒させていただくことになりました。

太宰府天満宮×ローレンス・ウィナー

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太宰府天満宮の境内には、現代アートが所狭しと展示されています。今回、タイポグラフィーの世界的アーティストのローレンス・ウィナー氏のアート作品が境内に設置される(描かれる)ことから、Tシャツ・バッグ・トートバッグをファクトリエが作りました。宝物殿のみでしか購入できない商品ですので、ぜひ現地に行かれた際に、チェックしていただけたら嬉しいです(写真:宮司の西高辻さんもお客様です)。

伊藤羊一さん

著書の「1分で話せ」がベストセラーとなり、現在は武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の学部長もつとめる伊藤羊一さん。今回、新著「FREE, FLAT, FUN これからの僕たちに必要なマインド」が発売されるにあたり、出版記念Tシャツを作らせていただきました。以前、YahooアカデミアのスタッフTシャツ作ったご縁から、その品質を気に入ってくださってのご依頼でした。

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8.お客様を豊かにする物を、お客様と作る

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開発過程では、最初に企画段階で私がユーザー視点でフィードバックし、サンプル段階ではお店のコンシェルジュ、顧客も加わって、販売すべきか、より良くするには?を話し合う機会を作っています。前述したアンバサダーには、頻繁に「この商品のここの部分はどっちが良いか?」質問しています。

「お客様視点」は普遍です。最終的にお金を払うのは誰か、その方がどのようなニーズを持つかを考え、そのお客様のニーズに対して、ファクトリエではどのような価値を提供していくかを考え続けています。

また、お客様の視点は今回のパンデミックをきっかけに生活様式とともに大きく変化しており(最近、べランピングという言葉を初めて知りました笑)、昨年売れたものを売ればいいという感じでもなくなってしまいました。

地球における人間と自然の共生は大きなテーマになると思いますし、その上でどのようにサスティナブルとビジネスを両立させるか、も重要な観点になっていきそうです。

以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございましたーー!

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(工場さんと串揚げを食べていた頃、早くあの頃に戻りたい・・笑)

今回はファンについて書きましたが、いかがでしたか?(汗)

お客様は生活者(消費者)だけでなく、工場さんも含まれます。

工場さんからも、「ファクトリエと一緒にものづくりして良かった」とファンになってもらえるよう、これからも、引き続き頑張ります。

それでは、またお会いしましょう。^^

良い人生の旅路になりますように!

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