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【読書感想】マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法

 550万回以上再生され、36の言語に翻訳されているTEDトーク「天職が見つからない人がいるのはどうしてでしょう?」の話し手、エミリー・ワプニックの本です。著者自身も講演家、キャリア・コーチ、ブロガー、コミュニティ・リーダーなどなどいわゆる複業をされている方。

 自由大学のFacebookで紹介されていて、ちょうど地域活性化センターで「複業」に関するセミナーを考えていたので、本を読んでみたら、自分自身がマルチ・ポテンシャライトで、アインシュタイナーのような働き方をしていると実感。というか、公務員は主体的ではないですが、ある意味のマルチ・ポテンシャライトだな~と読んでいて思いました。

 というかマルチ・ポテンシャライトってなんだよと思う方もいると思いますし、その中でも働き方の種類もあったりするので、冒頭にまとめて、後はいつも通りに気になるところを抜粋します。

〇マルチ・ポテンシャライト
さまざまなことに興味を持ち、多くのことをクリエイティブに探究する人

〇マルチ・ポテンシャライトの課題
①仕事、②生産性、③自尊心

〇マルチ・ポテンシャライトのスーパーパワー
①アイデアを統合できる、②学習速度が速い、③適応能力が高い
④大局的な視点を持っている、⑤さまざまな分野をつなぐ「通訳者」になれる

〇幸せに生きる秘訣
 ①お金、②意義、③多様性

〇マルチ・ポテンシャライトの4つのワークモデル
 ①グループハグ・アプローチ
  ある一つの多面的な仕事に就き、その中でいくつもの分野を行き来する。例:都市計画の立案者(多分野を学び、部屋で調べもの、フィールドワーク、他者と議論する)

 ②スラッシュ・アプローチ
  パートタイムの仕事やビジネスを掛け持ちし、精力的にその間を飛び回る。例:2~5の仕事を掛け持ち(アーティスト/プログラマー/講師などなど)

 ③アインシュタイン・アプローチ
  安定した「ほどよい仕事」をしながら、情熱を注げる取り組みをほかに持つ。例:アインシュタイン(特許庁で働きながら特殊相対性理論などを考えた)

 ④フェニックス・アプローチ
  数か月、数年ごとに業界を移り、興味を一つずつ掘り下げていく。例:デジタルマーケターがキノコ農家などに次々と転身する

〇マルチ・ポテンシャライトが抱く「不安」
 ①アイデンティティ、②何度も初心者を経験する、③「一流になれない」
 ④詐欺師(インポスター)症候群

以下、気になるところを抜粋。

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自分は根本的に、何かに打ち込む、最後までやり通す、といったことができない人間なのではないか、と私は悩んでいた。自分はどこかおかしいに違いない、そう思っていた。(P.24)

私たちの文化においては、専門分野を持つことが成功への唯一の道とされ、大いに美化されている。(P.27)

マルチ・ポテンシャライト:さまざまなことに興味を持ち、多くのことをクリエイティブに探究する人(P.29)

あなたはおそらく、多くのことに手を出す人間への、世間の目にはもう慣れっこだろう。そう、私たちは世間から見れば、「一つのことに打ち込めない」という致命的な欠陥を抱えた怠け者なのだ。(P.41)

これは単なるキャリア論ではない―人生設計そのものだ(P.64)

マルチ・ポテンシャライトのライフスタイルを無理なく続けていくには、道具や必要品はなるべく借りたり交換したりすることをお勧めする。少なくとも、その興味が長続きするとわかるまでは。新しいことに移るときには、道具を売るとよいだろう。(P.67)

マルチ・ポテンシャライトであることを支えてくれるキャリアを構築するには、時間と実験が必要だ。まずは、生きるための最低限のニーズを満たすべきだ。(P.71)

「私たちが魅力を感じるブランドやリーダーたちは、自分たちがしていることを『なぜ』しているのか、それをよく理解している。そして、『なぜ』という問いをとても大切している」(P.73)

自分が意義を感じられる活動を知る手段の一つは、自分の「なぜ」を知ること。「なぜ」は、自分に意欲を与え、動かす力なのだ。(P.79)

マルチ・ポテンシャライトなのだから、一つに絞る必要はないが、あまりに多くを抱えすぎてもストレスで参ってしまう!ありがたいことに、一つしかできないことと、ありとあらゆることに携わることとの間には、ほどよい領域がある。あなたがやるべきことは、自分が心地よい場所を見つけること。それは、人それぞれに違う。(P.82)

自分のさまざまな興味を仕事にスムーシングするのを許してもらう一番の方法は、自分が会社に提供できる価値を強調すること。(P.110)

マルチ・ポテンシャライトが、単独のスキルを買われて企業に入ることもある。その場合は、優秀な仕事ぶりでまず雇い主の信頼を得てから、さらに責任を与えてほしいと説得する。自分が提案しているプロジェクトが会社にもたらす価値を強調し、説得すると効果的だ。(P.128)

「スラッシュ・アプローチ」は、「ポートフォリオ・キャリア」とも呼ばれる。パートタイムの仕事やビジネスをいくつか掛け持ちし、その間を日常的に飛び回っていることをいう。(P.130)

スラッシュ・ワークモデルを選べば、自分の様々な個性を頻繁に表現し、次々に発揮していける。一度にたくさんのプロジェクトをやりくりするのが好きなマルチ・ポテンシャライトには、よい選択肢だ。

1900年代初頭の10年間ほど、アルベルト・アインシュタインはスイスの特許庁の職員として働いていた。本業を持ちながらも、特殊相対性理論をはじめもっとも有名な仕事のいくつかを、この時期に成し遂げている。

「アインシュタイン・アプローチ」とは、生活を支えるのに十分な収入を生み出し、ほかの情熱を追求する時間とエネルギーを残してくれる、フルタイムの仕事かビジネスに携わること。(P.155)

アインシュタイン・アプローチに心惹かれるかどうかは、融通性よりも安定性を重んじるかどうかだ。

「人生はあっという間だ。イライラしたり、望みをほったらかしにしている場合じゃないよ。やりたいこをすべて実現するのは無理だとしても、みんなもっと頑張れる。私は毎日、自分の大事なことをする時間をつくるようにしている。瞑想したり、読書したり、何かをつくったり、思いをめぐらしたり、家族や友達など世の中がくれるすべてのものに感謝したりね」(P.167)

フェニックス・ワークモデルは、物事を深く掘り下げるのが好きで、日々の生活にそれほど多様性がなくても満足できるマルチ・ポテンシャライトにぴったりだ。(P.178)

激しい怒りやストレスよりも、マルチ・ポテンシャライトが「そろそろ次へ」の気づきのワードとしてよく挙げるのが、「退屈」だ。退屈するとキレやすくなり、わくわく感ややりがいが消える。(P.185)

あなたも内向的なタイプなら、一つアドバイスさせてほしい。イベントに行くべきだけど、長居はしないこと。そして会場にいる間に、人と話をしよう。「こういう場所では落ち着かないんです」と常に正直に話すようにすれば、そばにいる誰かがほっとため息を漏らして、必ずこう言ってくれる。「私も!」(私はこの方法で、結構な友達ができた)。(P.188)

マルチ・ポテンシャライトにとって生産性とは、ただ仕事を片付けるためのものではない。しかるべきことに取り組めているか、仕事が片づくスケジュールを組めているか、あるプロジェクトから次のプロジェクトへ移る時期を理解できているかも押さえておく必要がある。(P.203)

選ぶのは怖いことだが、選択が一生ものであることはまれだし、自分が思うほど選択に縛られることはない。(P.213)

「何かに興味を失ったら、必ず『目的を果たしたからではないか?』と考えなくてはいけない。あなたは任務を完了したのだ。だから興味を失った。あなたに欠陥があるからでも、怠け者だからでも、腰を据えて取り組めないからでもなく、終了したからなのだ」(P.224)

ささやかな成功を記録する一番のタイミングは、新しいプロジェクトを探求し始めたとき。初期の段階には、力不足で気まずい思いをしたり、目の前の仕事の山に弱気になったりしがちだ。そんなとき、ささやかな成功に気づいて喜べば、元気が出て前に進み続けられる。(P.240)

詐欺師(インポスター)症候群とは、心の奥で、「私は詐欺師だ」「ここにいるべきじゃない」「いつかみんなが目覚めて、それに気づいてしまう」などと思い込んでいること。(P.255)

あなたが時折自信をなくすとしたら、よい人間のしるしだ、と考えてほしい。(P.256)

いろいろ実験し、繰り返して、自分仕様にしてほしい。あなたの仕事で、あなたの人生なのだから。(P.273)

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 僕と大学時代からの付き合いがある人は完全に僕がマルチ・ポテンシャライトであることが分かってもらえるかと思います笑。イベスタ、Ryu-SEIGAP、クラサポ、PBL、ゼミ長と様々なことをやってきてましたもんね・・・笑
 その傾向は今も変わらず、センター来てからもやりたいことにはなるべく手を挙げたり、最近では見切り発車で始めるようになっています。嵐のワイルドアットハートにもあるじゃないですか

一度きりの人生転がるように 笑って泣いて生きてゆこうぜBaby
誰かの決めた自由はいらない そして ここではないどこかへ Someday

 やりたいことがあるなら、ちゃんとやってみる。どうせ人生一度しかないし、色んな働き方をこれからは試していきたいところです。とりあえずアインシュタイン・アプローチを意識して、公務員としての副業も考えていきたいですね。
 後、「詐欺師症候群」というキーワードは今の僕に刺さり過ぎる。周りから承認されることが多いけど、本当にその承認は正しいのか。本当の自分を見せられているのか、を感じる僕にとっての救いの言葉です。

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