転職のお話。その2~自身の本心と向き合う~

前回、今の転職活動環境についてのことを書きました。

私が前回転職したのが2015年。2022年10月から新たに転職活動を開始したので、
7年のブランクの中で感じた変化をつづりました。
働き方の変化、オンライン面談の増加に伴う選択肢の増加など、いろいろと変わってきていることを実感しました。
今回は、そこにも絡めつつ、何年たっても変わらないこと、人間としての本質・・・というか、本音というか、
気持ちやメンタル、仕事や将来への考え方など、転職活動を通じて感じた、得たものについて忘備録として書き記します。
おそらく長文になります。
結論だけ見たい場合は見出しから選んでスキップするか、お時間の許すときにじっくり読んでいただけたらと思います。

転職したくなった理由


まずはここからお話を。
一番の理由としては、平たく言うと人間関係でした。
社長が下からとても嫌われていて、よく陰口を言われています。
まぁトップって嫌われるものなんでしょうけど、うまく説明できませんが、
ダメな嫌われ方をしていて、その結果、社長が目指したいことと、下が目指したいことが合致せず、
今どこに向かって進んでいるのかわからない状態で、
あと、誰も企業理念を言えないっていうのが、引き金になりました。
(業績があまりよくないという将来性の不安が理由というのもありましたが。)

40代を見据えて考え始めたこと


転職を考えた時、22年時点で37歳、40代が迫ってきたと認識したときに、
今の会社でキャリアアップするとして、どうなっていたいかが具体的にイメージできなかったこと、
関わってる業界の将来性がなんとなく希薄だと感じたことも含め、
じゃあ例えば10年後に自分がどうなっていたいか、なんてことも考え始めました。

年収はどれくらい?
ポジションは?
キャリアアップに伴う仕事内容の変化は?

高齢化による労働人口の減少、AIなどのデジタル技術発展によるワークスタイルの変化など、
予測が立てれそうで立てにくい現代において、
どんなスキルやマインドを持って働くことが適切か、どんな目標設定をすればいいかなど、
わりとアバウトなことを考えながら、とりあえずは増え続けるIT企業の中でどんな仕事ができる人材が求められているのかも含めて、求人情報を漁りました。
幸いといっていいかわかりませんが、ここ数年のワークスタイルの変化、世の中の風潮も相まって、
昔に比べて転職は悪と捉えられる考え方はなくなってきているように見受けられ、
7年前に比べると多少年齢もハンデもカバーできそうな雰囲気すら感じました。
実際、各転職サイトにWeb履歴書としてキャリアを掲載すれば、
しっかりそこを見てスカウトを投げてくれる企業もあり、そこの業務内容が少しでもおもしろそうと判断すれば、
カジュアル面談を受けてみる、というのも繰り返しました。
多いときは週に5社とか、仕事終わりに貸し会議室借りたり車の中だったり、いろんなとこで面談したなぁと。
オンラインでどこでもできるという利便性はしっかり享受していました。
話がそれましたが、多くの企業の話を聞き、また、こちらの転職希望の理由も説明していく中で、
今の会社のネガティブなイメージが先行しつつも、そういう考えがあったからこそ、
今よりもっと専門性の高い仕事に就いて、40代になったときのキャリアの基盤を固めたいとしうのが、
ざっくりした理由で多くの企業の面接を受けてきました。
IT系の知見があり、プログラミングはできないけどソフト面は操作はできる、ハード面は実務経験もある、
でも国家資格を含めた実務で必須な資格は持ち合わせていないという状態ではあったものの、
それでも思ったより選択肢があるといった肌感覚でした。
なので、頑張れば、心から「ここいいな」と思える企業に出会えるだろうと、
ふわっとした考えで進めていました。

それでも現実は厳しい


そうやって続ける中で、割と早い段階で、やりたいと思える仕事は見つかりました。
クラウドサービスのセールスエンジニアで実務を通して資格取得もできてしかもGWS(Google系)の仕事。
Googleが好きな自身としてはとても魅力的で、カジュアル面談もとても手ごたえがあり、
その後の面接もスムーズにすすんだものの、結局そこは2次で落ちました。
その後は似たような仕事がある企業への応募は片っ端から落ち、
スタートアップでアプリ開発やサブスクの運営などを手掛ける企業からのスカウトもありつつ、
自分で応募するケースも含めていろいろと受けてみましたが、
「おもしろそう」という気持ちだけはあったものの、
面接を受ける際に、自分がそこで働いてどうなっていくかというイメージがわいてこない現状があり、
おそらくそういうところが見えてしまって、先に進めないんだろうなという分析になりました。

結局、仕事を選ばなければすぐにでも転職できる状況ではあったかと思います。
お金だけある程度もらえて自分の時間がそこそこ確保できて、しんどいのを多少我慢すれば最低限の暮らしはできる。
今の仕事が不満なら、逃げ出すだけの転職ならすぐにできたんです。たぶん。
でも、自分の市場価値を少しでも高めたいという欲望があったせいで、
良くも悪くも高望みしてしまう感覚はありました。
でもそこに、自分がどうなりたいかというイメージが抽象的で、むしろ、
自分がどうなっていたいか。と、いうことしか考えられていないのが問題なのではないかという考えに至りました。

どういう未来を生きたいか


今回はまだ、どんな企業の内定をいただいたのかまでは書きませんが、
自分がこれからの社会で生きていくにあたって、
・どんなことがしたいか
・どんな未来を望むか
ということを改めて考えました。

どんなことがしたいか
今回転職するにあたり、自分がやりたいと思うことができる転職も、もしかしたら最後かもしれない、
だからこそ、自分が見据えたい未来がイメージできない場所では、胸を張って働けない気がすると感じました。

どんな未来を望むか
自分の好きなこと、興味のあること、自分にも関係すること、これから多くの人がそれにかかわること、
これらを総合的に考えた時に、その関わる人たちに喜んでもらえることがしたい、人の役に立つ仕事がしたい、そのために知識と経験、技術を積んで成長したい。
こういった考えに至り、
そこから狙う業界は一つに絞り込みました。
(ただ、第二候補として業界は違えど理想に近しいところも並行して受けつつ。こう言うと妥協に聞こえる感じもするのでイメージはよくないかもしれませんが。だからこそ本命の業界、企業にも本気になれたような気もします。)

とはいえ、そこからトントン拍子に進むはずもなく、苦労は続きます。

それは突然やってくる


見たい未来のイメージはできた。自分のミッションとして捉えることもできた。
そしてそれに関する業界からも続々と求人が増えている。
優先順位はある程度つけながら、片っ端から応募しました。
カジュアル面談すらなく書類だけで落ちたところもあれば、
カジュアル面談→書類選考でダメだったケース、
営業職で受けたところは最終面接までいけたところもありましたが、
こちらが思うことと企業側の理念や意見が合致せず、オンラインでの最終面接を受けてる時に半ば強制的に打ち切られたような面接もありました。
そういったところは、うまく自分の気持ちを伝えられなかったり、的を得ない質問をされて返答に困ってしまったりと、
徐々に追い詰められていく焦りのようなものもありました。
そんな中で、今回内定をいただいた企業の求人をようやく見つけ、
そこでは自分の気持ちも、企業側の考えも近しいものがあり、
不思議なことに、その企業の人と話すと、自然と言葉が出てきて、嘘偽りない気持ちを伝えることができて、
ありがたいことに相手も共感してくれて、一番素直に自分の理想を伝えることができました。
するとどうでしょう、選考に進むにあたって書類選考からということで、改めて履歴書を書きましたが、
今までは取り繕うように堅苦しい見栄を張ったような内容しか書けなかった志望動機が、
ちょっと恥ずかしいくらいの意思表示が、びっくりするほどすらすら書ける。
むしろ文字数が増えすぎて、逆に何度も手短にしなければと書き直す事態に。
そこでふと、これが自分のやりたいこと、望む未来像、理想像なのかということに気づいたのです。
最初はただ漠然と「転職したい」だけだったのが、今ではしっかりと、「こんな社会を作りたい」という気持ちがはっきりと言えるようになり、
結果的には書類提出後に最終面接になり、オンラインではなくオフィスに来てくださいという案内をいただき、
実際に対面で改めて自分の意思を伝え、「一緒に働ける日を楽しみにしています」というお言葉を頂戴するに至りました。

もちろん、それがゴールではないし、今から自分が取り組もうとしてることは、
今よりずっと苦労も多くてストレスもたまるだろうし、大変な業界に飛び込むことになるけど、
今までの仕事人生ではなかった、はっきりとした目標が出てきたので、
今回の転職活動を通じて、自分の気持ちを整理し、洗い出し、見つめなおし、
残りの人生で自分が何を残していけるか、悔いのない日々を送るためにどう生きていくか、
こうした自分自身の心の声と対話できたことで、初めて満足のいく就職活動ができたと感じました。

もちろん、自分一人で抱え込んですすめてきたわけではなく、
行き詰った時に話を聞いてくれ、アドバイスをくれる友人、知人、多くの人にも精神的に支えられ、
そのおかげでしっかりと自分と向き合うことができたと実感しています。

この春、自分にとって新たな分岐点を迎えようとしていますが、
上にも書いたように、悔いのない日々を送れるよう、1日1日を大切に生きていきたい所存です。

転職活動を通じて得た気づき、学び
ここでは書ききれなかったことも、正直まだまだたくさんあります。
が、私としては、

今の会社では満足できない、将来性に危機感がある

今までのキャリアを振り返り、できることが何かを再確認する

その中でやりたいことは何かを考えてみる

自分がどうなりたいか、どんな未来を生きたいかを考えることができた

今回の転職活動を通じて自分のこれまでとこれからの生き方を見つめなおすきっかけになったと感じました。
人手不足と騒がれてはいるものの、競争率が高いところは高いし、
同じような、似たような求人が多いところでは入れ替わりがやたら激しいのは昔から変わらないなと感じたり、
いろいろと考えさせられることはありました。
あとはやはり、行きたい業界業種でも、対象となる企業のミッション、バリューに共感できるかどうかは、
非常に大事だと改めて感じました。自分の意志とそれが共鳴して初めて、
双方のマッチングになるのだなと。
わずか3か月とはいえ、とても濃厚な、実りもあり気づきもあり、多くを学べた転職活動でした。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
役に立つか参考になるかはわかりません。個人的な忘備録なので。
この先の自分がどうなっていくのか、楽しみでもあり不安でもあり、
総合的に言うと、わくわくしてます。

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