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【LDLバディ対談】元公務員の地方議員と自治体コンサルが町との関わり方を語る

LDLことLocallyDrivenLabs。
『まちづくり幻想』『地元がヤバいと思ったら読む凡人のための地域再生入門』『福岡市が地方最強の都市になった理由』『地方創生大全』『稼ぐまちが地方を変える』などの著者で、約20年にわたって全国各地で経営とまちづくりに取組んでいる木下斉さんが所長として立ち上げたラボです。

現在80人を超えるメンバーが参加しているこのオンラインサロン、毎月メンバー同士1対1で対談をする機会があります。
今回は、せとうちの南に浮かぶ周防大島で議会議員(R2.11~)されている白鳥のりこさんと年末対談させていただきました!
白鳥さんのnoteはこちら。

実は、私が仕事をしている株式会社地域科学研究所でも平成29年に公共施設総合管理計画のお手伝いをさせていただいたことがあるまちでもありますw

以前、白鳥さんが、議会の一般質問で周防大島町の公共施設マネジメントについて、ド直球な一般質問をさせており、とても興味をもっておりました!なかなか行政内で進まない公共施設マネジメントは議員からのアプローチや一緒にプロジェクトをやっていくスタンスぐらいの付き合い方がとてもいいと個人的には思っています。


せとうちの南に浮かぶ周防大島のこと

せとうちの南に浮かぶ周防大島は私も訪れたことがありますが、「1本の橋」からしか入れない大きな島です。ハワイに縁がありそうな看板が多かった印象ですが、明治から大正にかけて、大島からハワイへ約4,000人もの海外移民が行われたことのある現在人口約1万5000人のまちです。

白鳥さんは、周防大島に生まれて、高校まで周防大島で過ごし、県庁職員を経て、周防大島にUターンし、古民家を使った1棟貸の宿「せとうちつなぐキッチン 郷の家」をしながら議員活動をされています。


大島大橋の送水管破断!が「地方議員」になったきっかけ

白鳥さんが議員になったきっかけを伺ったところ、意外な動機が明らかに。
1本の橋からしか入れないこの島。その生命線である橋に、2018年大型貨物船が衝突し、水道のインフラが断絶されたことにより、危機的な生活状況が続く周防大島で「地方自治の危うさ」を感じて、議員に立候補したそう。

2018年長周新聞の記事より
山口県周防大島町と柳井市大畠を結ぶ大島大橋に22日午前0時30分頃、大型貨物船が衝突し、橋梁下に添架してある送水管が破断した。町内全域約9000戸で断水し、生活している島民約1万5000人に影響が及んでいる。22日午後10時20分頃からは、安全確認のため本土へつながる唯一の橋である大島大橋が全面通行止めとなった。

長周新聞より引用

ショッキングな当時の記事はこちら

公共施設マネジメントは、自治体のまちづくりつながる!?

白鳥さん自身、私もコーチを務める都市経営プロフェッショナルスクールで、公共施設を扱うプロジェクトの実践をされ、より具体的に公共不動産とまちのつながりから公民連携プロジェクトの創出を目指された経験もあり、現在の周防大島の公共施設マネジメントの課題についてもかなり深刻に感じられているとのこと。

対談の中でも、最終的には「人」にフォーカスを当てたプロジェクトの創出と、行政内で施設の管理も縦割りな自治体の中で、しっかり「決め方を決める」プロセスの重要性についてお話させていただきました。

地域科学研究所PUBLIC+チーム資料より

最近、色々なところでお話させていただいている公共不動産活用の方程式。不動産、建物だけでなく、エリアの視点で地域資源と人を掛け合わせてプロジェクトを作っていくことがとても大事。このあたり周防大島にも可能性のある公民館や廃校などはあるようですが、とてももったいない状況のようです。(これは周防大島町に限ったことではなく、全国的な課題ですが。。。)このあたりは、PUBLIC+の津山市川口さんのインタビューでもなぜ、自治体において公共施設マネジメントが進まないか!?の記事をご参考までに。


津山市川口さんの講演資料を参照
津山市川口さんの講演資料を参照(マジで覚悟がいる世界)

本当に、シンプルに覚悟を持って、楽しみながらプロジェクトを生み出していくしかないw

公共施設は、まちにとって、老朽化や遊休化、しがらみなどなど自治体職員や地方議員、まちに住んでいる人たちにとって「やっかいな存在」に思われている公共不動産も、うまく活用していきさえすればまちにとって、地域の価値を上げ、新たなサービスや仕事を生み出したり、希望につながるプロジェクトも生み出せる可能性もある表裏一体な存在なのです。

このあたり白鳥さんの対談記事でもまとめていただきました。


LDLで全国のネットワークを活かして、それぞれのまちで実践を深めよう!!

個人的には、そんな「闇」と「光」表裏一体の公共施設マネジメントの世界は、自治体職員だけでなんとかなる問題ではなく、地方議員の役割もとても大きいと思っています。

どんな施設も地域の「人のしがらみ」「カネ」「条例、法律」の問題は避けては通れないものであり、行政職員だけではしり込みする課題も、議員の視点からアプローチ整理しながら、行政職員、まちのプレイヤーと一緒にしっかりプロジェクトを生み出すことが重要です。
LDLメンバーには議員の方々が集まった勉強会グループもあり、様々なまちの議員の方々が活発に議論をされています。(頼もしい)

ぜひ、この記事に興味を持たれた議員の方はLDLへジョイン!!して実践されませんか?


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