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【LDLバディ対談】元公務員の地方議員と自治体コンサルが町との関わり方を語る

LDLことLocallyDrivenLabs。
『まちづくり幻想』『地元がヤバいと思ったら読む凡人のための地域再生入門』『福岡市が地方最強の都市になった理由』『地方創生大全』『稼ぐまちが地方を変える』などの著者で、約20年にわたって全国各地で経営とまちづくりに取組んでいる木下斉さんが所長として立ち上げたラボです。

私は昨年、都市経営プロフェッショナルスクールを卒業後、自分のアツさが冷めないように、進み続けられるようにと参加させていただきました。

現在80人を超えるメンバーがおりますが、メンバー同士1対1で対談をする機会があります。
今回は、何というめぐりあわせでしょうか。
タイトルにあるように、
元公務員で現在地方議員(@周防大島町)をしている私こと白鳥のりこと、
公共施設マネジメントや公会計などの分野で自治体向けコンサルティングを行っておられる西田稔彦さん(@株式会社地域科学研究所)でバディを組ませていただきました。

対談のテーマ「現在地としての町の関わり方と、今後のビジョン」
を意識しつつも、好奇心の赴くままに、対談させていただきました。

西田さんは、ご自身の自己紹介に
「西田稔彦はいろいろやります」

と掲げておられるとおり、ほんっとうにいろいろなことをされており、様々な視点をお持ちです。
そんな西田さんですが、今回は地方議員である私との対談ということで、私が推し進めたいと思っている「公共施設のマネジメント」に関するコンサルタントという側面を全面に出して、対談くださいました(感謝×10)。

具体的には、所属されている「株式会社地域科学研究所」での
自治体経営支援(固定資産台帳GISシステム、地方公会計、財務会計AI、固定資産台帳AI)、ローカルエリア再生・ブランディング(公共不動産活用、公共施設マネジメント)といったお仕事
また社内プロジェクトのPUBLIC+(公共不動産の可能性を広げるあらたな「場づくり」を行うプロジェクトメディア)でのご経験やお考えを伺わせていただきました。


伴走型コンサルへの道のり

〇㈱地域科学研究所でのお仕事

1999年に㈱地域科学研究所に入社後、自治体に路線価算定などのコンサルタントシステムを提供するお仕事をされてきた西田さん。
夕張市の破綻(2006)のころから、公会計制度が重要視されてきたのに伴い、そちらの分野にもコンサル業務を広げられました。
コンサルとして自治体に関わりつつも、実際に公共施設を使ってみようと、廃校活用に手を上げ着手(2013)。
その活用に関わった社員さんが、今は独立して農業を営んでいるとか。

社内ベンチャーから独立まで、そこを担う人(この場合は社員さん)とともに走る。
社員さんを”会社のもの”とだけ考えず、地域で活躍する人に育てるという視点は、会社の理念あってこそと感じました。

〇個人事業としてのリノベカフェギャラリー

西田さんは、生まれ故郷の竹田市にあったおじい様の古民家をリノベして、週末にカフェ・ギャラリーの運営をされていたことも(現在はオープンスペース)。
「ここにいると、町のいろいろな人が集まってきて、いろんなことに巻き込まれて…」”町の関わり代”がつかめたといいます。
この経験を経て、外からのコンサル視点だけではなく町に飛び込んだプレイヤー視点も持つことができるように。勇者のアイテム揃い組ですね。

〇システム開発・導入の後には

公共施設のファシリティマネジメントの課題の一つが、行政内部で「優先順位や廃止するための基準など、”決め方”が決まっていない」ことだと西田さん。

数ある公共施設の管理は、うちの町でいえば庁舎は総務課、公民館は社会教育課、学校は学校教育課、水族館や道の駅、キャンプ場などは商工観光課など、多くの部署に分かれて管理運営されています。

会社としてマネジメントに必要なシステム開発と自治体への導入までは行えるが、それをいかに使いこなすかは、行政の中にいる人にかかっている
行革やDXを司る部署に”やる人”がいるところでは、各課に話をつけ、部署横断的に進めていこうとする。しかしそういう人がいなかったり、せっかく動き始めても異動してしまうと…。

システム開発をして、それを自治体に広げていったものの、導入後に使われない…それじゃだめだなと。会社として売り上げは立ったけど、そのまちにとってちゃんといいことになったのか?ビジネスは大事だけど、やるならば結果まちにとって良かったってなるような関わり方をしていきたい。
そこで、システムを導入するところまでではなく、それを使って進めるところまで伴走していきたいと考えるようになったそうです。

コンサル的立場で地域を俯瞰しつつ、地域の中で”動く人”の視点も持ち合わせる西田さん。このように自治体の中、地域の中をみてコンサルティングしてくださる方を目の前に、それを受け止め受け入れ走っていくには、地域(自治体職員など)もスキルと覚悟と情熱が必要ですね。

さらに加速するために

伴走的な仕事は増えてきてるが、エリアの範囲内で考えてもスケールの限界があると感じておられるそうです。

現状に満足せず、「もっといい世界が望めるはず」と飽くなき挑戦を続ける西田さんと話していると、私の住む町の課題も、”よりよくなるための原石”に感じ始めるから不思議。

その課題を突破するためには、それぞれのエリアでやりつつ、共通する知見を共有する。例えば都市経営プロフェッショナルスクールのような仕組みにして、エリアを超えて成果を出していくことで、”動く人”がいる地域が変わることができるのではと未来を語られました。

それならば、隣接する市町が取り組めば、圏域が変わることができるかな?とたずねる私に、
「確かに、自治体は良くも悪くも”横並び”が好きだから、それは効果があるかも」
との希望をくださいました。

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西田さんは、PUBLIC+を立ち上げの際に木下さんに相談に乗ってもらったことがきっかけでLDLに加入されたとか。
その後、都市経営プロフェッショナルスクールの公共空間活用専門課程のエグゼクティブコーチに就任されています。
「今更、プロスク受講とかできないよね…」と、対談の中で唯一といっていい残念な悩みを聞かせていただきました。

西田さんとじっくり対談させていただく機会を、ありがとうございました!LDLの運営の方に感謝!!

私にとってはLDL加入のきっかけになり、西田さんにとってはLDL加入がきっかけでコーチをお勤めされることになった都市経営プロフェッショナルスクール。
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