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短観

 2017年、デヴィッド・ロックフェラー3世が死去。現在の世界の混乱はここから加速している。デヴィッド氏はチェース・マンハッタン(現JPモルガン・チェース)銀行頭取として、何よりFRBオーナーたるロックフェラー家当主として戦後世界を主導してきた。民間外交官として世界中の要人に影響を与えていただけでなく、米新大統領の承認まで行なっていたことは、ズビグニュー・ブレジンスキーの回顧録にも記されてある。「キングメーカー」たる氏のパートナーだったのがヘンリー・キッシンジャー。次兄ネルソン・ロックフェラー失脚後、ニクソン政権以降の米政権をコントロールしていたのは、明らかにこのパワーラインだった。トランプも大統領就任前にキッシンジャーの面談を受けている。クリントン家をバックアップしているのがロックフェラー家であるのは周知の事実。歴代政権にはウォール・ストリートから人材が起用されることが慣習となっている。
 CFRもWEFもビルダーバーグ会議も、デヴィッド3世&キッシンジャーは創設から関わっている。現WEF会長のシュワブ氏はキッシンジャーの教え子だった。

 2022年、前英女王逝去、2023年、キッシンジャー死去、そして先月26日にジェイコブ・ロスチャイルド卿の訃報。直後の3月8日、ゴールドマン・サックスが日本のトランザクション業務から撤退発表、3月20日には日銀がマイナス金利解除を決定。この円安の下、株価はじきに弾ける可能性が高い。貿易収支より経常収支が上回っている現状、日経平均バブルは海外株主への利得にしかなっていない。東証プライム株主全体の3割は海外、特にウォール・ストリートのブラックロック系が占めている。当然その大元はロックフェラー、モルガン、ロスチャイルドといったFRBオーナーを筆頭としたエリート資本家たち。無論、ヴァンダービルトやハリマン、アスター、デュポンなどの旧世代も含まれる。
 金融緩和とバブルでゲインを吸収し尽くし、今度は空売りで稼ぎ、次に下落した株を買い占めれば一循環する。あくまで単純な仮定だが。
 今年の7月には新円切替え。全ては連動している。

 要は第2次大戦後の世界をデザインし、仕切っていた人々がこの世を去り、世代交代が起ころうとしている。ロシアの侵攻もそれを見込んだ上でのことだろう。明らかに勝負に出ている。
 ゴールドマン・サックスの現オーナーであるジョン・ジェイ・ロックフェラー4世は高齢かつデヴィッド3世ほどの影響力は無い。WEFグループと新興国グループのどちらが次世代覇権を得るか、あるいは覇権への挑戦がどこまで成功するか、近いうちに決定的な動きがあるだろう。

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