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日活ニューアクションの魅力!

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日本のアクション映画史上、最大のターニングポイントとなった1960年代末から70年代にかけての「日活ニューアクションの世界」をまとめました。
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#澤田幸弘

『無頼 殺せ』(1969年・小澤啓一)

『無頼 殺せ』(1969年・小澤啓一)

「無頼シリーズ」第6作!

 1969(昭和44)年3月に公開されたシリーズ第6作にして最終作。1969年は、日本だけでなく世界の音楽、ポップカルチャー、政治、モラルが大きく変革を遂げた年でもある。もちろん、映画をめぐる状況も大きく変わりつつあった。

 『無頼 殺せ』の脚本は第1作から、第3作『無頼非情』を除く5本のシリーズを手掛けてきた池上金男。東映の『十三人の刺客』(1963年)で集団抗争

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『あばよダチ公』(1974年・澤田幸弘)

『あばよダチ公』(1974年・澤田幸弘)

 昭和45(1970)年、渡哲也の『斬り込み』でデビューを果たした澤田幸弘監督。『太陽の季節』『狂った果実』が作られた昭和31(1956)年に日活に入社。同期に小澤啓一、一年後輩に長谷部安春監督ら、日活ニューアクションの旗手たちがいる。日活アクション全盛期に助監督として活躍し、斎藤武市、鈴木清順監督などに師事し、同期の小澤啓一の「無頼シリーズ」でチーフ助監督を担当していた。同期や後輩に比べて、遅咲

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『反逆のメロディー』(1970年・澤田幸弘)

『反逆のメロディー』(1970年・澤田幸弘)

 “アクション王国”を築いてきた日活も、1960年代末、ハリウッドのニューシネマや、音楽を中心とする若者の嗜好の多様化の中で、大きな転機を迎えていた。主人公も勧善懲悪のヒーローからアウトローへと変貌を遂げ、バイオレンスやセックスなど、よりビジュアルも刺激的なものになってきた。

 それが、日活ニューアクションの、一つの先駆けとなったのが昭和44(1968)年、舛田利雄監督、渡哲也主演の「無頼より大

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