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山と景色と歴史の話

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#顔振峠

奥武蔵「顔振峠」と源義経【山と景色と歴史の話】

奥武蔵「顔振峠」と源義経【山と景色と歴史の話】

いにしえより地域の人々を魅了してきた英雄がいる。
彼らの波乱に満ちた生涯は人々の口から口へ、様々な伝説・伝承に彩られながら語り継がれてきた。
なかでも源義経は全国各地に多くの伝説を残している。
埼玉県の奥武蔵に残る〝義経伝説〟を紹介する。

武蔵野の奥にある山地
武蔵野台地が尽きるあたり、埼玉県の飯能市西部から秩父郡南東部にかけての地域を「奥武蔵」と呼ぶ。
この地名は比較的新しく、第2次世界大戦前

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奥武蔵「顔振峠」と渋沢平九郎【山と景色と歴史の話】

奥武蔵「顔振峠」と渋沢平九郎【山と景色と歴史の話】

幕末の戊辰戦争のさなか、現在の埼玉県入間郡越生町黒山で、官軍に追いつめられた1人の賊軍兵士が自決する。
その首は越生の高札場に晒され、胴は黒山の人たちの手で全洞院に葬られた。村人たちはその壮絶な最期を讃え「脱走の勇士」(だっそ様)と崇めたが、やがてこの兵士が渋沢栄一の妻・ちよの弟である平九郎と判明する。

激動の幕末に幕臣・渋沢栄一の見立養子(相続人)となったことで、数奇な運命を辿ることになった男

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