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【禅語Zen Words】弄花香満衣(はなをろうすれば こうえにみつ)Play with the flowers and the fragrance will fill your robe
弄花香満衣(はなをろうすれば こうえにみつ)中国は唐の時代の詩人、于良史の「春山夜月」という美しい詩の一部の、「水を掬すれば月手に在り、花を弄すれば香衣に満つ」という一節が、禅語として知られています。 「春山夜月」という詩は、春の山の素晴らしさを詠んだものと言われています。意訳してみると、春の山を、自然と一体となって楽しむ詩人の姿が浮かんできます。 ーーーー 「春山夜月」:意訳 春の山は素晴らしいことが多く、一つ一つ愛でていると帰るのを忘れてしまいます 思わず水を手で
【禅語Zen Words】春来草自生(はるきたって くさおのずからしょうず)Spring comes, the grass grows by itself.
春来草自生(はるきたって くさおのずからしょうず)「兀然(こつねん)として無事に坐すれば、春来たって草自ずから生ず」という禅語の一節。すべての計らいを捨てただ黙々と坐禅をしていれば、春になって草が自然と生えるように、時がくれば必ず悟ることができるだろう。という意味と解釈されています。 春が来れば、草木は芽を出します。それを人がさまざまに理屈で解釈しようとも、それが現実、それが自然です。しかるべき時に、しかるべきことが起こります。同じように、黙々と坐禅をしていれば、しかるべき
【禅語Zen Words】銀盌盛雪 明月蔵鷺(ぎんわんにゆきをもり めいげつにろをかくす)A silver bowl is filled with silver snow and the bright moon is overlaid with a white heron.
銀盌盛雪 明月蔵鷺(ぎんわんにゆきをもり めいげつにろをかくす) 銀盌盛雪 明月蔵鷺 類而不斉 混則知処 銀盌に雪を盛り、明月に鷺を蔵す。 類すれども斉しからず、混ずるときんば処を知る。 銀のお椀と雪は全く異なる性質のものだが、お椀の白色に雪の白色を盛るとその境界が曖昧になる。同様に、明るい月と白鷺は違うものだが、月に白鷺が重なると、白い光のなかで区別がつかなくなる。しかし、似てはいても同じでない。混じり合って見分け難くても、ちゃんとわかる。 この禅語は、このような意
【禅語Zen Words】見明星悟道(みょうじょうをみて みちをさとる)Seeing the bright star and enlightening oneself to the Way.
見明星悟道(みょうじょうをみて みちをさとる)仏教の開祖である釈迦(しゃか)が悟った瞬間を表した禅語です。 釈迦が悟ったのは12月8日とされています。12月1日から菩提樹(ぼだいじゅ)の下で静かに坐り瞑想をはじめた釈迦は、8日目の夜明け、空に輝く星を見たその瞬間に悟りを得たと伝わっています。この逸話を表すのが「明星を見て道を悟る」という禅語です。 おそよ2500年前、ヒマラヤ山脈のふもとにあった釈迦国の王子として生まれた釈迦は、あらゆるものが満たされ不自由なく暮らしていまし
【禅語Zen Words】舞秋風水石紅葉(しゅうふうまいて すいせきこうようす)The autumn wind is blowing and the water and stones are also covered in autumn colours.
舞秋風水石紅葉(しゅうふうまいて すいせきこうようす)秋風に吹かれて舞い落ちた葉が降り積もり、水面や石も境なくすべてが紅葉一色になっている様子を表した禅語です。 石は動かないもの、水は動き続けるもの。静と動の象徴のような、一見全く違うように見えるものですが、落ち葉というきっかけで融合することによって、どちらも例外なく自然の流れの中にあり一体であるということを思わせてくれる禅語だと理解しています。 さて、自分の意志をもって動き続ける私は、どう秋を迎えましょう。 落ち葉を体にま
【禅語Zen Words】天地与我同根 万物与我一体(てんちとわれとどうこん ばんぶつとわれといったい)Heaven, earth, and I have the same root, all things and I are one.
天地与我同根 万物与我一体(てんちとわれとどうこん ばんぶつとわれといったい)「天地と自分と根本は一緒である。万物と自分とは一体である。」という意味の禅語です。 これは肇法師(じょうほうし)[西暦384~414年]という中国の仏教僧の言葉で、禅の哲学の根幹を表現する禅語として捉えられています。 この禅語の起源は、中国の道教の始祖の一人、荘子[紀元前369~286頃]の「天地と我と並び生ず、而して万物と我とを一と為す」という言葉だと言われています。 禅がインドから中国に伝わっ
【禅語Zen Words】行亦禅坐亦禅(ぎょうもまたぜん ざもまたぜん)Walking is also Zen, sitting is also Zen.
行亦禅坐亦禅(ぎょうもまたぜん ざもまたぜん)歩くのも禅、坐るのも禅である。 語る時も黙っている時も、動いても静かにしている時もその姿は安らかである。 たとえ刀の切っ先を突きつけられても常に平気である。 たとえ毒薬を盛られても安らかで緊張や恐怖がない。 それが禅である。 中国唐代の禅僧、永嘉玄覚による禅の古典『証道歌』の一節です。 さて、修行ってなにするの?とよく聞かれます。 僧堂で実際の修行生活を経験するまでは、私の修行のイメージはというと、暗いお堂で、あるいは山奥で、
【禅語Zen Words】一灯照一隅(いっとういちぐうをてらす)One Light Illuminates a Corner
一灯照一隅(いっとういちぐうをてらす)「一灯照隅、万灯照国(いっとうしょうぐう、ばんとうしょうこく)」という言葉の一節。比叡山延暦寺を開いた最澄が、唐から持ち帰った言葉とされています。 初めは一隅(片すみの部分)を照らすような小さな灯火(ともしび)も、その灯火が百、千、万と増えれば、国中を明るく照らすことになる。その様子を表しています。「一灯」とは、一つのともし火のことで、仏教を開いた釈迦の教えを象徴していると言われています。初めは釈迦が一人で坐り一人で悟ったことが、彼の身
【禅語Zen Words】一月浮万水(いちげつ ばんすいにうく)The countless moons on the surface of the water
一月浮万水(いちげつ ばんすいにうく)空に輝くたった一つの月が、地上のあらゆる場所の水面に無数に映っている(浮かんでいる)という情景を表現した禅語です。 天の月が地上のあらゆる水面に反射して映るように、あらゆるものの中には他のものの働きが影響していて、他のものと互いに関係し影響し合うからこそ存在している。つまり、何一つとして単独では存在し得ない。つきつめると、すべては一体であるということを表現している禅語だと考えています。 「すべては一体である」といっても、実感が湧きにくい