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男が初めての釣りで釣り上げたのは、ヘドロのかたまりのような、不気味にうごめき悪臭を放つ…
男は街中で行列に出くわした。先頭も最後尾も見えない長い列だった。何の列か気になって、先頭…
ある朝の通勤途中、男はうずくまって泣いている女を見かけた。駅近くの交差点の角のところだ…
ある深夜、男は尿意に目が覚めた。よたよたした足取りでトイレを済ませると、水を一口飲もう…
男は職場へ向かう電車に乗っていた。乗り換え駅で急行を待っていると、事故のため電車が遅れ…
とある怖いことがあった次の日、男は件の駅に降り立った。 怖いことの真似をしようと思っ…
男は読んだ本の感想を求められ、特に何も思わなかったと感じたままを答えた。相手は、感想は長ければ長いほど、具体的であればあるほどよいと言った。男はどう返答すればいいのか分からなかった。もうどんな内容の本だったかも忘れてしまった。
屋上に出てみると先客がいた。どうやらためらっているようだった。男は今のうちにとフェンスま…
*この掌編はブンゲイファイトクラブのオープンマイクに投稿したものです。拙作は184番。リン…
男はこれまでずっと妻だと思っていた相手が、ただ妻のふりをしているだけの見ず知らずの女だと…
電話がかかってきた。知らない番号からだった。男は電話が嫌いだったので、じっと携帯を見つめ…
男の目の前に、どこからともなくある若者が現れた。若者は自分は百年先の未来から来たのであり…
死体が見つかったと連絡があった。急いで現場に駆けつけると、思った通り妻だった。警察による…
放課後、校舎の屋上でクラスメイトたちとふざけあっていたときのことだった。男がノリでTの背中を押したところ、Tは縁に足を引っかけてバランスを崩し、地面に転落した。 男たちは慌てて下を覗いたが、眼下にTの姿はなかった。探してもどこにも見つからず、それきり行方不明となった。警察にも事情を話したが、Tの痕跡自体が何一つないため、事件性なしとされた。ただ罪の意識だけが残った。 男はその後も学校生活を続け、やがて大学に進学した。大学を卒業したあとは人並みに就職した。事件のことは折に触