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自伐型林業の仕事

高知県土佐町では地域おこし協力隊19名(2023年4月時点)が林業、観光、高校魅力化、デザイン、教育、スポーツの分野で活動しています。このnoteでは、協力隊の活動や人となりを伝える冊子「土佐町地域おこし協力隊新聞」に掲載している内容を電子版として紹介しています。土佐町/協力隊に興味がある方に読んでもらえればと思っています。

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カルチャーショックを受け、林業の道へ。

山門修平(2020年5月着任)

以前は神戸で植木屋の仕事をしていました。もともと山に行くのが好きで、林業や木こりに憧れもあり、家族で田舎に引っ越そうと話も出ていたとき、ある仕事現場で県外からきた林業の若い人らがごっつい木を切っているのを見てカルチャーショックを受け、林業やりたいなと思いました。今は河野さん、長友さんとチームを組んで活動していますが、スケジュールも活動内容もチームで話し合っていろいろ決められるので働きやすい環境だと思います。

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あと2年半で協力隊の活動は終わりますが、その時に林業だけでやっていくのもちょっと寂しいので、植木の仕事もやりたいし、大きく考えると、林業や植木屋を分けるというよりも、大きい括りの中で自分がやれることをやるっていう感じかな。全く別ジャンルでもうちょっと面白いこともしたいなと出てくるかもしれないし。そのためには、今は林業の技術を覚えることがいちばん大事だと思います。
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木も一本一本が人間みたいに違う。今は毎日が勉強。

長友航(2020年5月着任)

土佐町には林業の職業インターンシップで来たのが初めてでした。現場で働いている方の話を聞いて面白そうだなと思い、林業の世界に足を踏み入れてみようと思いました。若いうちにいろいろチャレンジしてみたいと思っていて、東京ではできなかったことができているので充実しています。林業ってキツイ、危険って言われることも多くて、それは否定できないけど、それよりも楽しさがあるし、自然の中で働けるっていうことと、3人でチームを組んでいて、いいチームワークで働けていると思います。

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今は毎日が勉強で、ほんとに木も一本一本が人間みたいに違って、観察しながら切っていくっていうのがすごく楽しいです。東京ではサバサバした生活をしていたんですが、こっちの方々は温かく迎え入れてくれて、「わからないことや助けてほしいことがあったら、いつでも言ってくれていいよ。」と、すごく親密になってくれるので、そういうこともあるから充実した生活を送れているのかなと思う。あとは趣味じゃないですけど、狩猟免許をとったりして自分の幅を広げたいなと思っています。
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山の仕事は地域のアップデートにつながる。

河野翼(2019年5月着任)

実家が製材所をしていたので、山を身近に感じて育ったんです。学校が終わったら裏山に遊びに行くみたいな子でした。社会に出てサラリーマンを経験した後に家具職人になりました。次第に自分の興味が「山」に向かう中で、偶然にも林業に関わる人との出会いや、嶺北地域の方々の親切もあり、昨年土佐町の自伐型林業の協力隊で第一期生になりました。ほんとにタイミングやったなと思います。

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嶺北みたいな中山間地域で何が一番ええのかなと考えると、景観やと思うんです。初めて石原地区に来たとき、道端の草がきれいに刈ってあったり、ちょっとした花壇が手入れされていたりとか、そういうのがすごい印象的でした。

地域の山に関わることになって、間伐をしたり道を通したり、「ちょっとウチの裏の木を切ってくれんかよ。」と頼まれたところを切って日当りや風通しを良くしたりすることが、景観をつくることにつながると思うんです。それって、この地域をアップデートすることなんじゃないかなと。シンプルに手入れをしていることでこの地域の価値が高まっていくと思うし、これからの時代ますます大切なんじゃないかなと思います。そう言う意味ですごいやりがいがあります。

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嶺北地域は林業が盛んなところで、技術的にも経験的にも素晴らしい現役の先輩から教わることもできるので、恵まれた環境だと思います。残りの任期の中で自分が食っていくための仕組みをつくることも大事な仕事ですが、それも自分一人でやるわけではなく、地域の人たちがどんどん相談に乗ってくれるし、移住者の方も多くて繋がりもあるので、何かをやろうと思った時に、やりやすい土壌になっていると感じます。
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林業_西川さん

生まれ故郷で「林業」を継ぐ。

西川藤男(2021年3月着任)

もともと土佐町の東石原出身ですが、中学校を卒業して以来、土佐町を離れていました。両親が高齢になり、実家の家業である「林業」を継ぐことを考えていたとき、土佐町が林業の分野で協力隊を募集していることを知りました。

嶺北地域は、山の多いところであり、林業の活性化が豊かな街づくりには欠かせません。活動を通じて林業の基礎知識を身に付け、実家の家業である、大径材の生産、天然絞り丸太などの磨き丸太作り、榊(さかき)や樒(しきみ)の栽培や花き市場への出荷・販売などを継ぐことで、故郷である土佐町の林業の活性化に貢献したいと思っています。

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一般材木だけでなく、特用林産物にも目を向け、安定した収入が得られるよう努力し、心も体も経済的にも元気な土佐町にしていきたいと思います。
林業は未経験なので、慣れるまではいろいろとご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、みなさまのお役に立てるように精一杯頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

編集後記
任期終了後、山門さんと長友さんはLLP(有限責任事業組合)トサイチヨンを立ち上げ自伐型林業をされています。長友さんは林政アドバイザーとして土佐町役場で山に関わる仕事もされています。
河野さんは、自伐型林業の傍ら木工職人としても活躍されています。


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