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着眼点5:他の産業、企業と比較して成長性は高いか?

事業戦略大学(教員1名・生徒無限大)「成功する事業戦略計画の7+1の視点コース第6回」


■事業の成長性を評価する3つのカテゴリー

事業が成長しているかどうかを判断するには、どのようなことを把握すればよいのだろう。売上げの成長性だろうか?売上げの成長性も確かに商品・サービスの市場競争力を示す大事な指標であろう。しかし、まず最初にその企業にとっての成長とは何かを定義づけなければならない。その成長の定義は、経営理念を元に考えるべきである。経営理念とは、企業の社会における役割、使命である。ある組織が何をどこまで日指すかは、その経営理念に示されている。その経営理念は企業の成長のビジョンについて基軸となる指
針を与えてくれる。


理念を基軸にした成長ビジョンは事業戦略計画において″売上げの成長性″″利益の成長性″″資産構成の成長性″の二つのカテゴリーに分けて考えることができる(図表)。

20200722_事業戦略大学図表第⑥


″売上高の成長性″をいくつかに分解して考えてみると、製品ラインの拡大、単価アップ、カテゴリーの拡大、顧客数の増加などが挙げられる。売上高についても、このようにブレークダウンして考えていくと成長戦略の意味を表現できるものになっていく。


″利益の成長性″には、ブランドプレミアムの向上、生産性の向上、収益源そのものの増加などが挙げられる。

″資産構成の成長性″は大きく二つに分けられ、財務諸表に載せられるものと、財務諸表には載せられないものがある。

前者は、現金、売掛金などの流動資産や、土地建物、設備などの有形固定資産、あるいは技術特許、商標などの無形固定資産がある。

財務諸表に載せられない資産としては、販売チャネル網、ブランドカ、技術力、効率的な業務、専門知識、人材などがある。財務諸表に見える資産での差別化が難しい現在では、この見えざる資産=知的資産を増加させることが効果的かもしれない。

これらの成長カテゴリーのどの部分をどの程度成長させるかは、事業経営者の経営ポリシー、つまり経営理念、経営ビジョンそのものだと言える。

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