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事業コンセプト作成のツボ

事業戦略大学(教員1名・生徒無限大)「成功する事業コンセプトの作り方コース第5回」

■トライアル・アンド・エラーの繰り返しが優れた事業コンセプトを生み出す


ここまで「事業コンセプトとは何か」ということを解説してきた。ここまで話すと、多くの読者の方は、「事業コンセプトとは、事業戦略そのものではないか、計画そのものではないか。なんて難しいんだ」と思われるであろう。まさにその通りである。事業コンセプトを作成するのは並大抵の仕事ではない。では、効率的な作成のコツや方法は存在するのだろうか。そのヒントを探るために、復習の意味も込めて、以下、事業コンセプト作成のポイントを振り返ってみたいと思う。


まず、優れた事業コンセプトの作成には、優れた着眼と独自の切り口がなければならない。着眼とは、例を挙げるなら、「高級腕時計のシェアリングサービス」「ワンコイン健康診断」といった、顧客の「心」を捉え、かつ、他社が考えつかないような差別化の視点である。

■事業コンセプト創造の2つの源

その着眼や独自の切り口の源は次の2つである。1つは、先ほども述べたリーダーや事業家の持つ問題意識、使命感、理念、そして、それをブレークダウンした明確なビジョンとリーダーの行動力から生まれるアイデア。もう1つは、そのアイデアの組み合わせ。ここで大切なのは、すでに保有しているアイデアを思いきって事業コンセプトとしてまとめてみることである。そして、不十分なところが見つかったら、夢や目指す姿に戻り、現場で足を使って調査し、その情報を整理してみる。優れた事業コンセプトは、この思考プロセスを何度となく繰り返すことで、醸成されていく。市場で勝てるコンセプトを作成するために数年かかったというケースも少なくない。


さて、ここで改めて冒頭の問い「事業コンセプトを効率的に発想。作成するためのコツや方法はあるのか?」に対する答えを述べてみたい。それは次の一言に尽きるのではなかろうか。

事業アイデア、制約条件など、これまであげた事業コンセプト作成の図にあるような事業コンセプト構造の枠組みで整理する訓練を、日頃から実践しておくことである。

つまり、自分が企画する事業のみならず、自分の身の回りにある商品やサービスの事業コンセプトがどのようにしてできあがっているのかを、事業コンセプトの枠組みで、できるだけ多く考えてみることであろう。また、理想とする商品やサービスの事業コンセプトの構造パターンを記憶しておくのも効果的である。


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