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事業戦略計画には3つの異なる思考やスキルが必要。そこが難しさ

事業戦略大学(教員1名・生徒無限大)「事業戦略スキルアップのこつコース第2回」

■事業戦略計画には3つのフェーズがあることを理解する


一見緻密だが、実は曖味で勝てそうもない事業戦略計画になってしまう原因は、その作成の手順にあることが多い。事業戦略計画立案作業には、事業コンセプト企画フエーズ、事業戦略企画フエーズ、計数計画策定フエーズといった”手順”が存在することを認識していないのである。とくに歴史のある大企業では事業が長期間継続的に行われているためか、一足飛びに計数計画だけを求め、事業コンセプトや事業戦略が不十分になってしまう傾向が強い。


■各フェーズに求められる成果とスキルは異なる。だから難しい


 各フェーズに求められる成果とスキルは異なる。事業コンセプト企画フェーズでは、市場探索や事業アイデア発想、構造的な事業コンセプト企画などが求められる。事業戦略企画フェーズでは、いかにして事業をスタートアップさせ軌道に乗せるかの事業開発の知識、そのためにターゲット顧客を誰にするかといったマーケティングの知識、どうしたら競合をしのげるかいう競争戦略の企画力などが求められる。

202020708_事業戦略大学図表第3回


計数計画では、事業コンセプトや事業戦略を組織に落とし込み、さらに投資、原価・費用、売上げなどの計数に展開できなければならない。また計数情報からリスクを分析し、その結果を事業コンセプトや事業戦略ヘフィードバックし、さらに事業戦略計画に展開し直すことが必要となる。

このようなことから、フェーズで区切ることで、各フェーズでの成果を評価し、精度を向上させることが可能となる。できるだけ上流の段階で本質的なリスクを見つけ出せれば、それらを回避することができる。たとえて言うならば、メーカーの開発設計部門では、設計プロセスをいくつかに分けて、デザインレビューと呼ばれる作業を行い、上流段階で不具合をなくす。ここで示した事業戦略計画のフェーズは、このようなメーカーの開発設計部門のデザインレビューと同じ発想と言える。

■異なる思考やスキルが必要。だからチームで取り組む

事業戦略計画には、大きく言うと「着眼・発想力」「分析・論理・戦略発想力」「分析・計画力」のそれぞれ異なる思考やスキルが必要となる。すべてが完壁にできる人は少ない。そのため、チームで取り組むのが好ましいと言える。各人の強みを活かせば、最大の成果を生み出すことが可能となる。

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