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勘所4:迷わず強みに徹する

事業戦略大学(教員1名・生徒無限大)「事業戦略の勘所コース第4回」 

企業や人が事業で成果を上げられるのはなぜか。それは他社がマネできない強みが、他社よりもはるかに優れた顧客成果を生み出すためである。そもそも、弱いところにちょっと手を加えたそこそこのレベルでは、競合には勝てない。


また事業では、将来の成果と同時に、今日の成果も求められる。今日の成果を出すためには、現在すでに他社より優れている能力に集中しなければならない。また将来の成果も、他社がすでに築いているものを後から追いかけて構築するのではなく、今すでに他社に差をつけている独自の強みを、さらに進化発展させていくところに存在するはずである。


ともすると、人は自らの弱みや欠点に目が行きがちだが、事業で成功するためには、自社や自己の強みとは何かを定義づけ、それを強く意識していかなければならない。

そのために、これまでどのようなことで際だつた成果を上げることができたのか、その成果の元になった強みは何かを分析し把握することが必要である。強みは、製品や業務の背後にある仕事のやり方や専門知識といつた人のスキルや能力に存在する。そのスキルや能力とは何かをしつかりと定義づけ、絶えずそれを磨いていく。

自動車のトヨタの強みは、誰もが知る現場の改善力である。しかし、その改善力を長期間疑わず、あらゆる地域、あらゆる組織階層で日々実践し、他社が容易にマネできないよう磨き続けている。強みを徹底して磨き続け顧客成果に結びつけているところに、トヨタの他に対する圧倒的な優位性がある。
組織活動においても強みという発想は重要である。

事業とは、個人の活動の総和ではない。事業とは、さまざまな人が集まった組織的活動であり、個々の能力により生み出せるものを超えた飛躍的な成果のための仕組みや構造である。従って、組織は組織を構成する個人の強みに焦点を当て、それらを構造化することで、他社でつくり出すことのできない際だった成果を目指し、努力すべきだろう。


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