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ケースで考える!自動化導入プロセス 〈金属加工業ABC社の場合〉

  こちらでは私からあるケースをご提供しますので、先ずはご自身で考えてみて、「どうすれば最適な現場が実現できるだろうか?」全体をイメージしてください。その場合、単に人の代わりにロボットを導入、ではなく、作業の自動化によってどのようなリスクが出てくるか、この要素の機械化が難しいか等も考えてみると良いと思います。実際のプロジェクトではこうしたリスクを予見する力が非常に重要です。装置を外注に依頼する際でも、単に丸投げではダメで、必ず何かしらのドキュメントを提示した上で依頼をすることをお勧めします。これは双方の食い違いを避けるためにも必要です。よって顕在するリスクを洗い出す訓練はとても重要です。

 ケースの後に私の見解もフリーで書いてみます。気になる方は是非読んでみてください。ただし、私の書いている事が正解とも限りませんし、アイデアや工夫は一人一人異なりますのでこれを独自の良質な自動化を描いてみては如何でしょうか。


 ケースと言いましても、「こんな時、貴方ならどうする?」といったレベルで堅苦しいものでもありません。今後はショートストーリー等も作成して、実際の現場をイメージできるレベルまでいきたいなと思っております。今回は非常にシンプルでベーシックなテーマとしてご案内します。
以下のケースの場合、貴方ならどんな自動化を構想していきますか?
少ない情報から自分なりに膨らませてシステムを考えてみてください。

【Case:金属加工業における自動化】

 以下は金属加工業を営むエー・ビー・シー製作所(以下ABC社)の例です。長年にわたり大手企業の下請けとして自動車向け部品加工を行なってきました。これまで、「安く・早く・最高の品質」をモットーに顧客との人脈を武器に、海老社長(以下海老)自らが営業の最前線として事業を支えてきました。今差し迫った死活問題とも捉えられる環境変化に対して海老社長が取った行動を皆さんで考えていきましょう。

 今、ABC社等十数社が集う工業団地には異様な緊迫した空気が流れていた。今はどの経営者も労働力確保に一抹の不安を抱えていた。実は先月この近郊に大手ショッピングモールが建設されると報道発表があったのだ。近郊といっても目と鼻の先だ。新聞記事によると、ショッピングモールには250を超える人気ショップが並ぶという。
  この新聞発表以降、ABC社で働くパート従業員の会話はすっかりとそちらに向いていた。というのもショッピングモールが募集している求人を見ると、どれも給与面が良いのだ。
 海老は「どうしたら従業員にこのままABC社に残ってもらえるのか」日々頭を悩ませていた。このままではいけないと。考え抜いた海老の答えはこうだった。
 「苦渋作業や単純な作業は従業員にとってはモチベーションが上がらない。そういった作業は早々に止め、人はもっとクリエイティブな仕事に就いてもらおう。そして社内の強み領域を高めて競争力を付けよう」と。もともとABC社は設計部門に強みを持っていた。デザイン力、設計期間は顧客からも高評価であった。この強みを更に拡大させ、今後は新分野進出等も視野に入れて取り組んでいこうと考えていた。その為には、先ずは止めるべき作業を見極める必要があった。

 そして海老が目を付けたのが、設計後のプロセスとなる製造工程であった。中でもモノを削る工程となる加工工程では、加工機にワーク(加工するもの)を投入する作業は至って単純なものであった。海老を先ずはこの作業の自動化を部門へ指示した。
 そしてもし貴方がこの自動化を任された現場責任者であった場合、どのようなプロセスを踏んで進めていくべきか、実現に向けて考えてみよう。
(現場イメージ)

加工現場
仕様

上記は現在の装置能力です。この情報を基にどのようなシステム化ができるか考えてみましょう。

【見解】

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