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Notionは新しいSaaSのムーブメントになるかもしれない

去年から少しづつ話題になり、今年に入り一気にブレイクしたNotion。Notionはメモ、タスク、Wikiを集めたコラボレーションなどの生産支援ツールの全部込みのサービスです。The All-In-One WorkspaceとNotionは呼んでいます。オールインワンのワークスペースサービスです。

最近の記事だとダイヤモンド社のインタビュー記事が参考になります。

「ソフトウェアの役割は人々の課題解決。ですが、抱えている課題や働き方は人や組織により異なるものの、コードが書けなければ既成品を使うしかありません。そして、既成品を使う場合、働き方をソフトウェアに合わせる必要があります。もしユーザーがソフトウェアを自身や組織に合わせてカスタマイズすることができれば最高だと思いませんか。それが私たちの哲学です」
「Notionをカスタマイズするには、なにもプログラマーである必要はありません。プラスチック射出成形の専門家でなくても誰もがレゴを組み立て遊ぶことができますよね。Notionではノートやスプレッドシートなどを組み合わせ、自分だけのソフトウェアを作ることが可能です」

さらにNotionは様々な外部ツールとも連携を可能にしており分散されたドキュメントを一つにまとめようとしています。

従来のSaaSの考え方はオールインワンのソフトウェアツールをある機能に分割して提供するのがセオリーでした。その為にそのバラバラになったSaaSをiPaaSで繋げたり、業務に合わせてカスタマイズ出来るBaaSが出てきたりしました。以前書いた記事を見て頂けると今までのSaaSのトレンドが原点に戻った様な印象を受けます。

考え方も面白いです。この様にオールインワンになっている場合は特化したサービスにどうしても品質、機能面で負けてしまいますが、これも認識している様で、各機能の単位でも特化型サービスより優れたツールを提供すると言っています。

「多くの利用用途でより優れた体験を提供していきたいと考えています。例えば、タスク、ドキュメント、Wiki、メモの作成・管理といった機能です。タスク管理に関してはAsanaのほうが優れていますが、シンプルなツールであるTrelloよりは大部分で優っていると言えるでしょう。Evernoteとは同程度と捉えていますが、利用用途によってはEvernoteのほうが優れている場合もあります。まずは特化型のツールと同程度、もしくはより優れたツールとなることを目標に改善を進め、その後はよりパワフルなツールを目指し、開発を進めます」

Notionの考え方はNoCode系サービスに近いものがありますが、Notionのユニークさはコラボレーションを進化させる事、ソフトウェアの在り方を進化させよう、その両面を見ている事だと思います。

そして、このNotionの出現、成功は従来のSaaSを大きく変える可能性が出てきました。ソフトウェアを機能的に統合し、インターネット的な共有、共創を組み込んでユーザーに提供する事は従来のSaaS的な考え、サービスとしてのソフトウェアという概念も変える可能性があります。

レゴブロックを提供し、ユーザーによってエコシステムを作ってもらう。それはソフトウェアにお金を払うという事から離れ始め、コミュニティに対する対価の様になる、これが次の大きなSaaSのムーブメントになるかもしれません。

Notionの歴史や成長率など詳しくはこちらで書かれていますのでよかったら参考にどうぞ。



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