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雑記

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#日記

雑記 “アイルランドの途上”

雑記 “アイルランドの途上”

この夏からアイルランドでの生活が始まる。

国内での仕事とは距離を置き、一年間の海外生活に向け準備を進めていたこの頃、そばにいる大切な人たちは人生に関わる大きな出来事に巻き込まれていた。それらは自分の人生に重なることでもあり、無防備だった心へ複雑に感情が入り混じる。

旅の代償は日常にある幸福や、生きるうえで避けることができない悲しみを逃してしまうことだ。私はそれを容赦なく思い知り、遠い地に行かな

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雑記 “空港ユートピア現象”

雑記 “空港ユートピア現象”

生まれたばかりの赤ちゃんは、自分で母乳を飲めず、ひとりで歩くことはできない。これは人間だけの特徴らしく、それゆえに母親は赤ちゃんに四六時中そばにいる必要がある。出生後、短い期間の中で目紛しく成長する赤ちゃんは、やがてハイハイを始め、自身の意思で自身の行動範囲を徐々に広げる。

飛行機での移動は身体領域を遥かに超えたものであり、ほんの数時間、雲の上でじっと待っていると、まるで遠い惑星に降り立ったかの

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雑記 “サルスベリ”

雑記 “サルスベリ”

サルスベリを覚えたのは6歳の頃であった。

当時、さるかに合戦や、桃太郎の世界で、サルのズル賢い一面や愛らしい一面を知ったばかりの私にとって、サルが滑ってしまうほどにツルツルとした幹だから、と由来をもつサルスベリの語感は直感的に頭に残った。

小学校の校庭に生えているそのツルツルとした幹を見つけては、得意げにサルスベリの由来を友達に教え撫でていたものだ。そして撫でるにつれ、他の木では感じられない愛

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雑記 “過去は新しく、未来は懐かしい”

雑記 “過去は新しく、未来は懐かしい”

気を抜くとついつい過去に囚われてしまう。
「あの時、少し勇気を出していれば」
「あの時、自分が冷静であったなら」

満たされない「現在」を「過去」のせいにしてしまうのは自分の悪い癖だとわかっていながらも、いざその時になると、「過去」の後悔で頭がいっぱいになってしまう。

時系列を辿ると、過去→現在→未来の順で事実が確定していくため、過去を事柄を現在まで引きずってしまうのは無理もないことだろう。

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