見出し画像

エリートリーグ第8節 北海道コンサドーレ札幌対水戸ホーリーホック ミニレビュー

スタメン

北海道コンサドーレ札幌

画像1

ベンチメンバー
GK 大谷 DF 荒木 水口MF 小沼 飯野 FW 西田

水戸ホーリーホック

画像2

ベンチメンバー
GK 山口(TR) DF 北条 本間(TR) MF上野山 FW 内田

スタッツ

試合レポート

エリートリーグ第6節札幌対水戸の試合は札幌ホームの宮の沢で行われた。札幌はユース中心のメンバーだが、いつも通りのミシャ式&オールコートマンツーマンで水戸に挑む。

前半序盤はお互いにボールを握り攻めに出るオープンな展開。札幌も水戸も積極的にゴールに迫る。

水戸は開始早々にCK2本を獲るなど早速チャンスを作るがここではゴールは奪えず。

札幌も負けじとプレスから水戸PA近くでボールを奪い、練習生の大城が大嘉に浮き球のパスを送る。そのボールを受けた大嘉を水戸の三國がPA内で倒してしまい札幌がPKを獲得する。

大嘉とドドのジャンケン?の結果、キッカーはPKを獲得した大嘉に決まる。大嘉の蹴ったボールにGK小澤も反応し手で弾いたものの、弾いたボールはそのままゴールに吸い込まれ札幌が先制に成功した。

その数分後、佐々木の鋭い縦パスを受けた漆舘のスルーパスから大嘉が抜け出す。その大嘉をまた三國がPA内で倒してしまい札幌がこの試合2度目のPKを獲得。今度はジャンケンに勝った(かどうかは定かではない)ドドがGKの逆を突き、ボールをゴール左隅に流し込み札幌が追加点を奪った。

しかし2-0は危険なスコア。ここから水戸の逆転が始まる。左サイドに密集地帯を作ると、一気にスペースの空いた右サイドにアイソレーション。ボールを受けた渡邊が切り込み、それに釣られた中村の裏にスルーパス。
このスルーパスに抜け出した奥田がワンタッチで流し込み1点を返す。

その直後には、またしても渡邊のスルーパスから柳と佐々木の間にポジションを取っていた宮崎が抜け出し中野の股を抜くゴールで同点に追いつく。

さらにさらにそこから数分後、水戸のカウンター。左から右に展開すると渡邊のスルーパスからポケットに抜け出した奥田がマイナス気味のグラウンダークロス。そのクロスを宮崎がヒールで流し込み、札幌を追い越す3点目を決めた。

この逆転までにかかった時間はおよそ10分である。札幌の守備が悪いのもあるが、水戸はサイドへの展開を使った攻撃が上手く機能していたと思う。

その後は試合が動くことはなく、前半終了。前半だけで5点決まる動きの多い試合となった。

後半開始から札幌は中野を大谷に交代。水戸は小澤と田中を下げ、練習生の山口と本間を投入した。ちなみにこの山口はスペインでプレーし、世代別代表にも選ばれたあの山口瑠衣である。

この後半は序盤から試合に大きな動きは訪れず膠着状態に。札幌はうまく中央を使えずにサイドに追いやられ、いつも連動性の高い攻撃を影を潜めた。対する水戸も攻め込むことはできるものの、決定的なシュートは放つことは出来なかった。  

札幌、水戸ともに61分に選手交代。札幌は大城を荒木に、水戸は奥田を内田に交代した。

しかし試合に動きは訪れず。飲水タイムを挟み札幌は中島を下げ西田、水戸は後藤田を下げ上野山を投入。

その後試合終盤に札幌は水口、小沼、飯野を3人を投入し勢いをつけようとするも、水戸は宮崎を下げDF北条を投入し守備を固める。

そのまま試合は終了し2-3で水戸が勝利しゲームセット。前半はお互いに点が入り動きのある展開になったものの、後半はお互いに惜しいシーンはあれど決定機は作れず。両チームとも交代選手がいいプレーをしたが、流れを変えるまでには至らなかった。

ピックアッププレイヤー

大城ジョナタン英司

北海道コンサドーレ札幌

小学校卒業と同時にブラジルに渡ったという異色の経歴を持つ18歳。コリンチャンスユースに所属しており、U15からU17に飛び級昇格もしたという実力者である。
現在をコリンチャンスを退団し、札幌に練習参加中。
このエリートリーグの試合にもスタメンで出場した。

この試合でのポジションはボランチ。縦パスや左右に振り分けるパスでゲームメイクし、先制点に繋がるPKの起点となる浮き球のパスを送るなど得点にも絡んだ。

本職はトップ下らしく、技術力とアイデアを持ち合わせた面白い選手だった。ボールを簡単に失うことはなく、キープ能力にも優れていた。シャドーで起用されていればもう少し活躍できたかもしれない。ボランチとしてみると、当たり負けするシーンが多くフィジカル不足が目立つ。守備も札幌のフルコートマンツーマンという特殊な戦術も相まって苦戦を強いられていた。札幌でプレーするならばここの改善が必要になるだろう。

しかしその技術力やアイデア、特にゲームメイク能力は今の札幌には欠けているものの一つ。特にパスを出せる選手がチャナティップと小野しかいない札幌には大城の技術力は魅力的に映る。その能力を評価し、上手く育てていける自信があるのなら、獲得してもいいと思う。

↓コリンチャンス時代のプレー集

宮崎鴻

水戸ホーリーホック

駒澤大学サッカー部に所属し、今季の関東一部大学リーグで5得点をあげているストライカー。前橋育英高校時代には選手権優勝に貢献するなど、こちらもまた"逸材"であろう。

この試合では2トップの一角としてスタメン出場。2得点を決める活躍を見せ、札幌ゴールを脅かし続けた。

彼は身長186cm、体重82kgと素晴らしい体格の持ち主で、この試合ではDFに当たり負けせず、空中戦でも強さを披露。フィジカルモンスターと言われる所以を見せつけた。しかし彼はフィジカル一辺倒のプレイヤーではない。2点目のシーンではポジショニングと駆け引きで札幌DFを置き去りにし、3点目のシーンではヒールキックで得点を決めるなど、オフザボールとテクニックの質も兼ね備えている。

もし来季、宮崎鴻が水戸ホーリーホックに加入したならば、チームをJ1昇格に導く大きな戦力になるかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?