鶏白湯

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鶏白湯

ネット上ですら人見知り。 なにかと悩みがち。しんどい時に吐き出す場が欲しくて登録してみました。

最近の記事

小さな声と大きな声の人たち

大きな声の人たちが 小さな声を見つけました。 小さな声は ひっそり静かに暮らしていましたが 大きな声の人たちは 親切心からなのか ただの気まぐれだったのか その小さな声を代弁して 周りに聞こえるようにしました。 そのおかげで小さな声の存在は 多くの人に知られる事になりました。 小さな声は、大きな声の人たちに 私の存在をみんなに伝えてくれてありがとうと お礼を言いました。 これに気をよくした大きな声の人たちは 小さな声をもっともっと 大きく叫びました でも、 実は

    • 変化

      変わりたいと願ったのに 変わることが出来ずにいるの そんな悩みはまだ今を 信じていられるからだと知った 変わってしまうのが怖いの 違う自分になるのは怖いの 今と向き合う事よりも 怖い事はなくなっていた 人と場所 金と名誉 心と体 夢と希望 何が大切で 守りたいものは何なのか 今この酩酊が 答えを導くのならば 朝は来ないでほしい この気持ちは 消えないでいて 欠けた答え アルコールが導き出すのは ろくでもない ろくでもない ろくでもない 混じり気のない 本当

      • 灰色

        今この瞬間のみ 心地の良い怠惰 薄皮一枚裏返せば 先々の不安と重たい現実 積み上げる無駄 耳を塞ぐと訪れる平穏に また怯える 後回しの繰り返しは まるで泥水を吸ったスポンジ 滴る濃い灰色の雫が 一滴、また一滴 床に 湯船に トイレに 寝具に 深く深く 染み込んでいく

        • 花より

          三月の半ばの雨に 花が咲く前でよかったと 少し安堵して 車窓越しに 川沿いの桜並木を眺めた どうしても 浮かれた気分になる出店と 約束もしていないのに出会った 友人との会話は 「花より団子」なんて今更 笑いにもならなかった そんな風物詩の記憶が いつもより少し遠くて 喪失感に似た感情は 桜に失礼だとかき消した そんな僕を無視するかのように 雨に濡れた桜並木は 静まり返ったまま もうすぐ二回目の 春を受容れる

        小さな声と大きな声の人たち

          平日

          椅子とサボテンが 談笑している そんな光景を 食い入るように見ていた君は 後ろ髪を引かれながら 出掛けていった たった5分前の 慌ただしい家の様子は 既に懐かしくて 今は寂しさと焦りと 少しの安堵が 3枚重ねで 心臓を包んでいる テレビを消して 急に静まった家の中では 決められたリズムで回る 洗濯機の音だけが響いて 僕はただ 終わりの合図を待ちながら 仕方なく 始まりの準備をしている やっぱり 今日も心は虚ろで 外は無駄に快晴だった ああ 非日常だった 日常

          すぐに影響されるので

          夜と 街路樹の隙間から 照らす電灯 その先に少し見える星と 穏やかな風と ワイヤレスイヤホン 最寄り駅から 三つ程前で途中下車 歩き慣れない道 それだけで勝手に エンドロールが流れ始める

          すぐに影響されるので

          時間を ちぎっては投げ ちぎっては投げ 箱に 放り込んでいました この部屋には 四角い窓が3つ そのうち2つは 繋がっているけれど 外の景色は見えません 唯一外が見える窓は 消して綺麗では無いけれど なぜか僕には たまらなく愛おしくて また時間を ちぎっては投げ ちぎっては投げ 箱に放り込んで 罪悪感を 少しづつ 少しづつ 箱の中に貯めながら 繋がった2つの窓を 行ったり来たりして 夜がくるのを待っています

          言葉の秤

          時には言葉を削ぎ落とし 時には言葉に重りを乗せる そんな風にして 僕は僕の中の秤に 生まれてきた言葉を乗せて バランスを取ろうとする 絶妙なバランスで 釣り合った時に やっと僕は 言葉を外に吐き出せる そうしていつも 一安心しているのだが 困ったことに 僕の言葉の秤は 僕にしか見えないから 壊れていたってわからない

          言葉の秤

          雑巾

          ----------------------------------------------------------------- 人間様へ こう見えても昔は ふわふわの高級タオルで 産まれたばかりの赤子を 包んだ事もありました。 居場所と役割を 少しづつ変えながら働き 使われ続け 最後にたどり着いたのは 一番過酷な「雑巾」ですが 役目を終え ゴミとして捨てられるその日まで 頑張りたいと思っています。

          ゴミ箱

          ゴミは ゴミらしく ゴミ箱へ そんな風に思うようになっていた。 でもね、 君が幾多の河原の砂利から ハート型を見つけたって 報告してくれて ぼくも色々思い出したんだ。 林に落ちていたあの枝は 伝説の剣だったし トイレットペーパーの芯から 覗いた景色は異世界だった。 ゴミは ゴミ箱へ? ゴミをゴミと決めたのは 一体誰か考えてみて 何億人といる人間のうち たまたま出会った誰かに勝手に バスケのスリーポイントシュートのように 放り投げられたって 大人しくゴール

          迷子

          地図を見るのが苦手だ。 目的地はみつけても そこへと続く 最短の経路が分からない。 すぐに面倒臭くなって まぁいいやと 何となくで歩き出して そのうち着くだろうと彷徨う。 見知らぬ路地の 見知らぬ家の前を横切る。 ここに住む誰かと 窓際でくつろぐ猫の生活に 無駄に思いを馳せてみる。 犬と、散歩する人とすれ違う。 犬は僕に無関心で 当然、人も僕に無関心で 僕も表向きは無関心だ。 僕と犬と人は たった今、何の変哲もなくすれ違ったが そんな事はもう、僕らの一生では

          ベタ

          君の様子がいつもと違うから 僕は焦って、何とかしようと思って 君を部屋まで連れて行ったのに 朝起きて、君の部屋を覗いたら もう君は旅立った後だった。 君は蒼く、美しく、優雅だった。 もっと一緒に居られたはずなのに こんなに早く別れが訪れるなんて 理由はわからないけれど それは間違いなく僕のせいなんだ。 本当にごめん。 君を忘れたくないから こうやって どんなにベタで平凡な言葉でも 書き残そうと思うよ。

          ドア

          暖かさを守り 涼しさを守り 安堵と緊張 自由と規律 家庭と社会 それぞれの境界線 覚悟を決めたり 無理をする準備をしたり 様々な感情を 人はドアの前で整理する そして あなたが 嬉しい時も 悲しい時も 酔っぱらっていても 鼻歌交じりでも 疲れていても 泣いていても どんな「ただいま」でも どんな「行ってきます」でも 誰よりも近くで聞いて 誰よりも近くで受け止めている。

          街灯

          今日も照らしている 人と、猫と、それ以外を。 夜を認めない者と 夜を自覚する者を 同時に照らしている。 陽光には及ばずとも 物足りない月光に代わり 黙々と照らし続ける。 時には感謝され 時には疎まれながら 人と、猫と、それ以外を 照らし続けている。

          見知らぬ駅にて

          行き先はわかるけど 動けない案内板と 行くことは出来るけど 行き先がわからない僕が 見つめ合う

          見知らぬ駅にて

          まだ水曜日

          最悪な日 まだ脳は 心の同様を隠している 騙されるように僕は ふわふわとした感覚で 湯船に浸かる 芯から冷えた体が 徐々に温まるのと同時に 脳が溶けていき 心臓は早くなる 多分このままではダメなので 僕はあわててシャワーに 手を掛ける

          まだ水曜日