平日
椅子とサボテンが
談笑している
そんな光景を
食い入るように見ていた君は
後ろ髪を引かれながら
出掛けていった
たった5分前の
慌ただしい家の様子は
既に懐かしくて
今は寂しさと焦りと
少しの安堵が
3枚重ねで
心臓を包んでいる
テレビを消して
急に静まった家の中では
決められたリズムで回る
洗濯機の音だけが響いて
僕はただ
終わりの合図を待ちながら
仕方なく
始まりの準備をしている
やっぱり
今日も心は虚ろで
外は無駄に快晴だった
ああ
非日常だった
日常が始まる
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