小さな声と大きな声の人たち

大きな声の人たちが
小さな声を見つけました。

小さな声は
ひっそり静かに暮らしていましたが

大きな声の人たちは
親切心からなのか
ただの気まぐれだったのか

その小さな声を代弁して
周りに聞こえるようにしました。

そのおかげで小さな声の存在は
多くの人に知られる事になりました。

小さな声は、大きな声の人たちに
私の存在をみんなに伝えてくれてありがとうと
お礼を言いました。

これに気をよくした大きな声の人たちは
小さな声をもっともっと
大きく叫びました

でも、
実は小さな声は
別に自分について
大きな声を出し続けていて欲しいわけでは
ありませんでした

すこしだけ自分を理解してもらえて
あとは普通にしていてもらえれば
それだけで良かったのです

その事を小さな声が
精一杯大きな声の人たちに叫んでも 

大きな声の人たちは夢中で
我を忘れてしまっていて
また、自分たちの声が大きくなりすぎて

もう本当の小さな声は聞こえなくなっていました

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