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[読書記録]図書館の神様(瀬尾まいこ)

瀬尾まいこさんの作品って、全く多くを語らないな、といつも思います。多くを語らないけれど、言いたいことの芯の部分が確実に伝わってくる感じがします。

周りの人に何かを教えてもらって、そうやって進んで行くことは、私たちの人生にとっても普遍的なことに思えます。

「きっぱりさっぱりするのは楽じゃん。そうしてれば正しいって思えるし、実際間違いを起こさない。だけどさ、正しいことが全てじゃないし、姉ちゃんが正しいって思うことが、いつもの世の中の正しさと一致するわけでもないからね」

「図書館の神様」瀬尾まいこより

自分とは違う人に教えてもらうこと、学ぶこと。年上とか年下とか関係なく。垣内くんって何者なのかなあ。そういうことも、多くを語らず、妹尾さんの物語は小気味よく進む、妹尾さんの作品のそんなところが好きなのかもしれません。

最後の10ページくらいで「はあ!」と新しい空気を吸うような気持ちになります。清さん(主人公)、またやっていけるな、と思えます。


文芸部の垣内くんの主張大会の主張、とても好きでした。

「文学を通せば、何年も前に生きてきた人と同じものを見れるんだ。見ず知らずの女の人に恋することだってできる。(中略)のび太はタイムマシーンに乗って時代を超えて、どこでもドアで世界を回る。マゼランは船で、ライト兄弟は飛行機で新しい世界に飛んでいく。僕は本を開いてそれをする」

「図書館の神様」瀬尾まいこより



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