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ショートショート「Rich Guy」

ルール:思いついた3ワードで短編小説を作ります。
今回の3ワード:自己紹介,ipod,脚立


『Rich Guy』

今日からピカピカの小学1年生となった。 

まずはじめは噂にしていたとおりみんなの前で一人ずつの自己紹介だ。

「はじめまして、私の名前はW.Kです。AS幼稚園からきました。私を知ってる人も知らない人もこれからどうぞよろしく」

なんとも無難にこなした。これで一つ壁を超えたと思った。席に戻ろうとすると黒板の横に立っていた担任の教員に腕を掴まれた。そして私にこう質問した。

「親の年収は?」

仕方ないので答えた「420万円」

「よろしい、私より低い」

すると担任はipodを取り出し音楽を聴き始めた。そしてそのまま黒板の前に脚立を置き、その1番上に仁王立ちのように立ち上がった。

「以上で自己紹介は全員終わりだな。ようこそCランク学校へ!昨年から公立学校はすべて年収によってランク分けされた。ここは一応中流とされるCランクだ。あぁそうだな昔は1億中流社会なんて言われたが、あれは上手な言葉のマジックだったな、実際には貧富の差があった。だから、誰かを羨んだりバカにしたりということが平気であった。しかしこれからは心配ない!この学校という世界では君たちがお金によって不安になることは何もないのだ!お金による劣等感などもうない!」

私はしっかりと見た、先生。ipodでホールアンドオーツの『Rich Girl』を聴いている。

「不安だ」


3ワードで作るショートショート





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