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11月1日 ゲーム機にこういう仕組みがあったらいいよね。新型ハプティクス技術と、ストレス検知デバイス


 面白い動画を見付けてきた。でもこの動画だけでは何が起きているかわからんね。

 この動画は今年のCEDECで村田製作所が出展したハプティクスデバイス。「ハプティクスデバイス」とは、ゲーム好きの人々にはもうお馴染み、コントローラーを「振動」させる装置のこと。

 実はこの振動技術も日進月歩で凄いことになっている。今年のCEDECで発表された最新の振動技術には「次世代型3DHaptics誘導けん引デバイス」と名付けられていて、画面上に出てくるオブジェクトに合わせて、握っているコントローラーが左右に引っ張られているかのような錯覚を引き起こす……というもの。
 他にも、引っ張られる、押される、ねじられる、ひねられる……といった感触も擬似的に再現できるようになったそうだ。原理は何かというと、相変わらず「振動」なんだけど、その「振動」一つでもっともっと色んな表現ができるようになったよ……というのが今回の動画。

 さてさて……もうすぐ任天堂が新ハードを発表するかも……という時期にやってきましたね。Nintendo Switchが発表される前にも、こういうハプティクス技術が発表されていて、勘のいい人はSwitchの「隠された目玉機能はこれじゃないか?」と見事的中させていた。もうすぐ任天堂新ハードが発表されるかも……というタイミングでこういう技術のお披露目された……ということは?
 ゲーム中の様々なシチュエーションに合わせて、よりリアルな振動が返ってくる……。もしも『ゼルダの伝説』みたいなゲームだったら、何かを押したり、引っ張ったり、引っ張られたり……という触感がコントローラーを通じて感じることができる。ただのムービーシーンでもきっと臨場感が増すことだろう。ホラーゲームで幽霊につかまれて引っ張られる感覚……みたいなのも再現できるかも。『閃乱カグラ』では……(以下略)
 Switch発表のときに、「HD振動」がピックアップされていて、その技術が今じゃ当たり前になったから、あの時ほどピックアップされないけれども、踏まえたものは発表されるでしょう。

 任天堂は意外とこういう最新技術には目がない。こういう技術は間違いなくチェックしていることでしょう。新ハード発表が楽しみだ。


 もう一個、変わったデバイスを紹介しよう。こちらも村田製作所が発表しているデバイスで、「疲労ストレス計」というもの。
 詳しい仕組みはよくわからないのだけど、デバイスのスイッチを押すと、そのスイッチ部分から電気が流れて、指先の心拍数を計測する。心拍間隔からデータ解析して、その人がどの程度ストレスを感じているか計測する……という仕組みでいいのかな?
 こういうデバイスはすでに色んなところに導入されていて、長距離ドライバーの疲労度を測定するときなどに利用されている。

 さて、こういう「ストレスを検知するデバイス」というものは、検索をかけるとすでに色んなところから発表されている。
 例えば日立システムズが発表している「疲労・ストレス測定システム」。フィットビットが発表しているスマートウォッチ「Fitbit Sense」は腕時計型のデバイスで、デバイスに掌を載せると、心拍数からストレス値を測定してくれる。

 と、こんなふうに、ストレスを検知する仕組みはいろんなところから発表されている。こういうデバイスをぽつぽつと見ていると気付くのだが――装置そのものはぜんぜん大がかりなものでもない。この程度の装置なら、ゲームのコントローラーに搭載できちゃうんじゃないかな……?

 ゲームのコントローラーにストレスを検知する装置が仕込まれていて、プレイヤーがどういうときに、どの程度ストレスを感知しているか常に計測する。もしも強すぎるストレスを感じていたら難易度を下げる。逆にストレスが弱いと感じたら、難易度を上げる。この装置があれば、こういう仕組みができるといえばできるようになる。
 ゲームの界隈で昔から問題となっていることといえば「難易度問題」。プレイする人によって、そのゲームから感じられる難易度が違う。人によっては「簡単すぎ」、しかし別の人とっては「難しすぎ」。この両極端の印象はなかなか薄められない。

 一つの例として、『ドラエゴンクエスト11』のクリア達成率は39.0%。『ドラクエ11』はさほど難しい作品ではないから、ほとんどの人がエンディングまで到達しているだろう……と思ったら、4割くらいの人しかエンディングまで到達していなかった。
 実はゲームのクリア達成率というのはだいたいこんなもので、ほとんどのゲームが3割から4割くらい。そこそこの難易度の高いアクションRPGとかになると3~2割まで落ちる(クリア達成率10%台という作品もある)。5割越えはほとんどなく、6割にもなるとほぼない……というくらい。
 みんな色んな事情があってクリアを断念してしまうんだろうけど、やっぱり考えられる要因が「難易度」。今はゲームの「文法」が進化していて、ゲームを進めるためのアシスト的な仕組みは一杯あるのだけど、それでも「無理!」と諦めちゃう人達というのは結構いる。
 そこでやはり、ある一定以上のストレスを感じているな……と検知したら、少しずつアシストをする……という仕組みはあったほうがいい。
 ただ、これもデリケートな問題で、ズバリな「答え」を与えられるのは醒める。少しずつ解くためのヒントを与えていく……というやり方でなければならない。ヒントの与え方はいつも自然でなければならない。露骨だと「なんだ、つまんない」という感じになってしまう。
 ただし「完全にストレスのないゲーム」も良くない。というのも、まったく何もないところから「快楽」を作っていくことは原理的に不可能で、ある程度のストレスがあって、そのストレスから解放されることで人は「快楽」を感じる。理論上、掛けるストレス値が高ければ高いほど、後にやってくる快感は大きくなる。高難易度ゲームをクリアしたときの「気持ちいい~!」という感覚はこうやって生まれる。
 ストレスの掛け方はギリギリを攻めた方がいい。しかしだからといって、誰でも強いストレスに耐えられるわけもなく、ストレスが強いと大多数は脱落してしまう。誰でもフロムソフトウェアのゲームをやって楽しめるというわけではない。人によってストレスに耐えられる限界値が違う……という難しい問題をいかにクリアしていくか……が課題になる。「ギリギリを攻めた方がいい」といっても、人によってそのちょうどいいギリギリ感が違う。これはどうすればいいのか?

 ゲームの作り手なら、ソフトを買ってくれたなら、買ってくれた全員がエンディングまで進んでほしい……と思うもの。今はゲーム的な物語を進行していくための「作法」や「文法」が一杯開拓されている。けど、それでもエンディングまで進められず脱落する人は出てくる。そこで、もしもコントローラーでプレイヤーのストレスを検知できる仕組みがあったら……さらに良くなるって気がしない?

 で、こういうストレスを検知する手法って、基本的に指先に流れる血流から脈拍を測る……という仕組みになっている。ご存じの通り、Nintendo Switchにはジョイコンに赤外線が付いている。実はこれで脈拍を測ることができる。『リングフィットアドベンチャー』ではこれで脈拍を測り、運動量を測定することができた。
 あの仕組みをもっと進化させて、コントローラーを握っているところからストレス検知ができるようになったら……とか思うんだけど。

 あったらいいな……って思うのだけど。任天堂さん、次のゲームハードでこういう仕組みを採り入れて!


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