見出し画像

あつまれどうぶつの森への不満

 『あつまれどうぶつの森』をはじめて4ヶ月。島滞在も4ヶ月になるのだけど、それだけの長期間になるとやはりぽつぽつと不満が生まれるもの。ゲームを進めていると、「どうしてこうなんだろう?」「ここはもっとこうすべきではないか?」と感じる部分が出てくる。今回は「思ったこと」のいくつかをピックアップしてみた。
 といっても、「だからどうぶつの森は駄目」というニュアンスでは書いていない。いずれも全体から見るとごく一部の要素でしかなく、その一部分だけを取り上げて「つまらない」と言っているわけではない。あくまでも「ここ、もうちょっと変わらないかな……」というくらいのニュアンスのものだ、と了解して読み進めて貰いたい。

しずえさんが訪問者を知らせてくれない

画像1

 ゲームを始めるとしずえさんが放送でその日に起きる訪問者やイベントについて告知してくれる。しかしこれが明らかに未完全だ。広場前にやってきて店を開いている人がいるのに、まったく告知してくれない。カブ売りや絨毯の行商が来ているときも告知してくれない。ツネキチが来ているときも告知してくれない。しずえさんが放送で喋る内容と言ったら、本編と特に関係ない、日常の報告ばかり。もうちょっと島の中で起きていることについて、細かく報告してくれないだろうか。

ダークモードが欲しかった

画像2

 夜になるとゲーム世界でも夜になり、風景は暗くなる。それはなかなか雰囲気が出ていい。部屋の明かりも暗くしてゲームを進めるとほどよい雰囲気を味わうことができる。
 しかし、スマホメニューを開くと非常に眩しい。ここの光設定は昼のままなのだ。スマホメニューだけではなく、収納ウインドウも明るすぎる。目に対する刺激がやや強めになっている。
 夜になったらスマホメニュー画面も少し暗めのカラーに設定してくれないものだろうか。

収納に花の株をしまうことができない

画像3

 家のローンを全て払い終え、さて島改造という段階に来たとき、困ったのが増えすぎた花だ。
 最初は「家の収納に入れておけばいいだろう」と考えていたが、すぐに花の株は収納不可という問題に直面する。じゃあこれだけ増えた花はいったいどこに預けておけばいいんだ??
 やむを得ず、花を各地に移転。花を植える場所はすぐに確定できないから、島開拓が進めばまた花を移転。花の移動に時間が取られすぎるし、このためにスコップをいくつ犠牲にしたかわからない。花が増えすぎないように、適当な絵(マイデザインのこと)で囲っておかねばならないし。
 その後は結局、花は売ることにした。
 花の株くらい、収納に預けておけるようにしてもらえないだろうか。置き場所に困る。

かけられる橋・坂の数が少ない

画像4

 私が当初思い描いていた島の構想は、まず坂道が多く、もはやハシゴなどは必要のない島だ。それから全体に水路が巡らされていて、たくさんの橋で行き来できることのできる島だ。
 しかし、かけられる橋・坂の上限がたったの8という事実に直面し、断念する。よくよく確かめてみると、攻略本にも上限が「8」と明記されている。見落としだった。

 今作では“お気に入り”にできるアイテムがあるが、それにも上限がある。傘やステッキや団扇など、お気に入りにできるあいてむは実は多い。だが現実には実用アイテムで独占されるので、傘やステッキは普段から持ち歩くことができない。だからせめてハシゴと高飛び棒のスペースは空けておきたかった……と考えていた。

画像5

 上限が8ということを突きつけられた後、せっかくかけた橋・坂の多くは撤去することになった(上画像の石階段も撤去した)。事前に立てていた構想の全てを描き直さねばならなくなった。このため相当のお金と時間を投資することになった。

 上限があること自体には問題ないが、8は少なすぎる。せめて30や40くらいを上限にしてほしかった。8ではあまりにも少なすぎで中途半端。これでは思い描いたものが作れないし、今作のコンセプトと照らし合わせてみても不完全であると評価せざるを得ない。

スコップや釣り竿の耐久地が低い

画像6

 今回は様々な道具を自分で作り出せることを特徴としている。スコップや釣り竿、網も自分で作り出して使用する。
 それはいいのだが……耐久値がやけに低くないだろうか? すぐに壊れる。
 スコップ 100
 金のスコップ 200
 釣り竿 30
 金の釣り竿 60
 あみ  30
 金の網 60
 だいたい耐久値は以上のようになっている。数字を見てもやや少ない。金のスコップや金の釣り竿は貴重品である金鉱石を使うのだが、それでも耐久値がたったの2倍に伸びた程度。これだと金鉱石は使わず温存しておこう……という判断になる。通常の釣り竿やスコップの耐久値はまあこんなものだとしても、金鉱石を使うアイテムの耐久値はいっきに5倍とかあってもよかっただろうに。

 スコップや釣り竿はリメイクで耐久値を復活させられることができる。それだったら、そろそろ壊れそう……という時が近付いたら絵としてわかるように示して欲しかった。その時が来たらリメイクで補修して使い続ける……という遊び方をしたかった。

台詞をスキップできない

画像7

 ゲームを進めていくと、何度も何度も同じ台詞に出くわす。しかもそれらの台詞は基本的にスキップ不可だ。Bボタンを押すと台詞がやや早くなってくれるが、ついついBボタンを連打してしまうので、その直後にくる選択肢をBでキャンセルしてしまうことが非常に多い。
 何度も繰り返される定番台詞についてはもはやスキップできてもいいのではないだろうか。現状ではあまりにもテンポが悪すぎる。もちろん、A・Bボタン以外でのスキップボタンだ。
「スローライフをコンセプトにしているゲームだからこれでいいんだ」
 という意見もあるが、それはスローライフを言い訳にしているだけに過ぎない。これはゲームの基本的な快適性の問題で、スローライフゲームだから快適性について考慮しなくてもいいという問題ではない。今のままの状態だと、どこかゲームをやらされている感が出てしまう。どこかでスキップボタンを搭載してくれないものだろうか。

DIYの個数を選択できない

画像8

 今作の醍醐味はDIYでいろいろなものが自身の手で作れるようになったが、問題があるとしたら一つ――作る個数を自身で決められないことだ。作るものは常に一つ。
 この制約がどんなときに問題になるかというと、「魚のまきエサ」を作るときだ。まず大量のアサリを砂浜から掘り出してきて、次に魚のまきエサを作る……一つ一つだ。10個ぐらい集めて作るというときもあるが、こういうときはひたすらにAボタンを連打し続ける。この時間がとにかくも無駄。
 また高額商品を大量に作り、売るときも同じく素材を集めてきて、ひたすらAボタンを連打し続ける儀式が始まる。
 今時クラフトできるアイテム数を選択できないゲームが存在するとは思わなかった。『あつまれどうぶつの森』は1990年代初頭の、快適性の概念が広まっていない頃のゲームなのだろうか。

ツネキチが来ない

画像9

 ツネキチが来ない。とにかくもツネキチが来ない。
 画像はゲームを始めて3ヶ月ほどの様子。美術館内は展示品がほとんどなく、閑散としている。現在もこの様子はほとんど変わっていない。
 ツネキチが来ないのだ。ぜんぜん。来るとしたら月に1度。今までシリーズでは週に1回ペースで来ていたはずだ。それなのに今作ではまったく来てくれない。おかげで美術品がまったく集まらない。
 コンプリートするとしたら、何年かかるのか? 現在の収集数から計算して、ざっと3年。3年もこのゲームを続けないと、全ての美術品が集まらない設計になっている。
 コンプリートした後は島のあちこちに美術品を置く構想を立てていたのにこの計画も断念。そんな計画を実行しようとしたら、プレイが数年単位で必要になってくる。
 ツネキチが来ないというのは私のゲームカード特有の現象なのか、それとも他のプレイヤーでも同じなのか……。

 いくらなんでもツネキチが来る回数が少なすぎる。もうちょっと改善してくれないだろうか?

画像10

 やっと来た!
 ……と思ったら展示品すべて贋作。さすがにこれはどうかと……。

たぬき商店が進化しない

画像11

 『どうぶつの森』シリーズはローン返済の過程で少しずつたぬき商店が進化していく(ローンのお金を何に使われているのやら)。だが今回は、アップデートは最初の一回だけ。以降はたぬき商店が進化することはない。

 何が問題かというと、営業時間と品揃え。私は仕事で忙しく、『どうぶつの森』を起動するというときは夜遅くになっていることが多く、その時はすでにたぬき商店が閉店しているか閉店寸前ということがしばしば。大慌てでその日の収穫物を上げて、売りに行かねばならない。どうにも“ゆっくりプレイする”という感じではなくなってくる。
 今までシリーズではたぬき商店はコンビニ形式になり、最終的にはデパート形式になり、扱っている品数が多くなり、開いている時間も長くなっていく。今回はそういった変化がない。
 扱っている品の数もずっと変わらず、ずっと少ないままだ。毎日5点のみ。しかも毎日通っても同じ商品が売っていることが多く、新しい家具になかなか巡り会うことができない。
 私は攻略本を買っていて、「この家具を買って家の中に置こう」と計画を立てているのだが、その家具がたぬき商店のラインナップに並ぶことがない。毎日たぬき商店に通いながら、あの家具はいつになったら手に入るのだろうか……とだんだん気分が重くなってくる。このゲームを遊んでいて、無駄を強要されているように感じられる場面だ。

住人がレシピをなかなか教えてくれない

画像12

 住人の家を訪ねると、時々何かを作っていることがある。その時に話しかけると、DIYレシピを教えてくれる。
 私は夜になると、一度全住人の家を訪問するのだが、何かを作っている場面になかなか遭遇しない。やっと見つけた! ……と思っても以前に教えて貰ったやつと同じもの。お前さん、それ作るの3回目だぞ、ということもある。
 住人がDIYをしている確率についてはそこまで不満があるわけではない。しかし「被り」をもう少し減らしてくれないだろうか。プレイし続けていると「またこのレシピか」というものに何度も出くわす。同じレシピを何度も渡される。ここも『どうぶつの森』をプレイしていて無駄を強要されているように感じられる部分だ。
 こちらについても私は攻略本を読んでいて「このレシピが欲しい」「これをあの場所に置こう」と計画を立てているのだが、なかなか教えて貰うことができない。
 繰り返しになるがレシピの「被り」をもう少し減らしてくれないだろうか。何ヶ月も遊んでいるのに、DIYレシピコンプリートがまだあまりにも遠い。

画像13

 たぬき商店の品数の問題。DIYレシピの問題。悪条件が重なってとにかくも今作は家具の集まりが悪い。「こうしよう」と思い描いていても、肝心の家具が一向に来てくれない。それで部屋作りも島作りも進まない。上の画像は何かを作ろうと場所は作ったものの、目当ての家具が一向に来てくれず、それきり開発が停まってしまったエリア。この状態で1ヶ月以上待ち続けている。
 今まではどうしていただろうか……と思い出すと、前作『あつまれどうぶつの森』の時ではすれ違い通信でハッピーホーム展示場にすれちがった色んな家が並んでいた。
 そうだそうだ。私は欲しい家具のほとんどをすれ違い通信で手に入れたのだった。
 今作は家具を手に入れる手段があまりにも少ない。たぬき商店のラインナップに並ぶのを、辛抱強くひたすら待ち続けることだけしかない。何日も何日も! DIYレシピも教えてくれるのをひたすら待ち続けることだけだ。こちらも何日も! この部分だけは本当に仕様から考え直してほしい。
 私からの希望は、夢番地で行った先で見付けた家具を注文できるようにすること。これがあれば「家具がやってくるのをひたすら待つだけ」という受け身的なプレイから、自分から能動的に動くことができる。これは要望として強く希望したい。

手に持てるものが少ない

画像14

 『どうぶつの森』をやっていると、散策しているどうぶつたちはみんな何かしら手に持っている。バスケットやアイスやコーヒーや……実に様々だ。だがプレイヤーである私が持てるアイテム数は少ない。確かに手に持って歩けるアイテムというのはある。傘、タンバリン、団扇……など。だが少ない。島のどうぶつたちは当たり前のように持ち歩いているのに、プレイヤーである私が手に持つことができないというのはどうなのだろうか。私だってアイスや飴を持って島を歩きたい。その権利を主張する。

衣装のまとめ買いができない

画像15

 エイブルシスターズのお店のクローゼットに入ると、様々な衣装が一覧で示されている。試着もできて、どんな感じの衣装なのかその場で確かめられるので非常に重宝する。
 ただ惜しいのがまとめ買いができないことだ。お気に入りの衣装を見つけたとき、私は色違いもまとめて買うのだが、そのために何度もクローゼットに出たり入ったりを繰り返す。そのうちに、「このカラー買ったかな……?」となる。とりあえずで買ってみて自宅に戻り収納を覗いてみると、同じものを買ってしまっていたり、あるいは実はその以前から持っていた……ということもしばしば。
 衣装のまとめ買いと、自宅収納にあるかないか、これはわかるように表示しておいてくれないだろうか。

攻略本が未完全

 角川書店が出版した『あつまれどうぶつの森 ザ・コンプリート』を購入した。1000ページもあるまるで辞書のような分厚さを誇る攻略本であり、資料集である。
 全部読んで豊富な資料にかなり満足したのだが、しかし間もなく不完全であることに気付いた。
 7月に入り、海に入れるシチュエーションが追加されたが、このあたりの記述が攻略本には記載されていない。おかげで素潜りで得られる海産物にどんなものがあるのかわからないし、獲得条件もわからない。
 7月海開きイベントは「後になって着想され追加されたシーン」ではなく、明らかにいって最初から計画されていたイベントだ。なにしろ前作にも同じ要素があったわけだから。その情報を事前に押さえて攻略本に記載できなかったのはなぜだろうか。これくらいの情報はあらかじめ得ることはできたはずではなかったか。
 それだけではなく、この攻略本を精査すると、まず低木を売ってくれるレイジの情報が抜けている。低木にどんなバリエーションがあるかがこの攻略本から探ることができない。
 またツネキチに関する詳しい情報も抜けている。今作での美術品鑑定はかなり難しくなっている。今までシリーズではあからさまだったからすぐにわかったが、今作はネットで本物を確認しないとわかりづらいものになっている。その情報、見分けからが攻略本には書かれていない。結局のところ、ネットの誰かが作った記事が一番手っ取り早くて確実な情報、ということになる。
 ネットの情報に劣る、となるとなんのための攻略本か。

 後のアップデート内容をフォローできないのは紙媒体の限界だから仕方ない。だったらデータブックなんかはどうだろうか。後のアップデート内容も対応ができ、便利な索引が大量に付いたデータブックだ。ネット情報以下の攻略本にしないためにも、攻略本制作についてもなにかしらの工夫が欲しかったところだ。

まとめ

 以上が『あつまれどうぶつの森』を4ヶ月遊び続けて引っ掛かりに感じたところだ。
 しかし……正直なところこれらの問題はアップデートで変わることはないだろうな……という気がしている。今までも任天堂は滅多なことでは快適性の問題に手を加える、ということをしなかったからだ。
 最近のゲームはユーザーの声が大きくなれば対応してくれるものだが、『どうぶつの森』は多分変わらない。他のゲームでも改善した試しが一度だってないからだ。Switchのメイン画面も一向に変わらない。『どうぶつの森』だけが特別、というわけにはいかないだろう。これは正直なところ、任天堂の傲慢さの部分だと思っている。傲慢だからこそ何があっても変えない。

 とはいえ、「だからどうぶつの森はつまらない」というニュアンスでは書いていない。つまらなかったら4ヶ月もプレイし続けていない。むしろ逆で『あつまれどうぶつの森』は最高に楽しく、シリーズで一番のクオリティだ。だからこそ言いたいことがある。変えて欲しいところがある。なぜならこのゲームがより良い作品に変わり続けて欲しいからだ。そのためにもっとすべきことがあるんじゃないか……ということをここで語りたかった。そのための少々の苦言だ。
 特に家具とDIYレシピが集まりにくい現在の仕様をどうにか変えてほしい。今のままだとひたすら現れるのを祈って待つだけの、信仰心が試されるゲームになっている。
 とはいえ、おそらくは任天堂はこういうユーザーの声は聞いてくれないだろうな……という気はしているが。任天堂はこういうところで少し変わってほしい。



とらつぐみのnoteはすべて無料で公開しています。 しかし活動を続けていくためには皆様の支援が必要です。どうか支援をお願いします。