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Netflix映画 ジュラシック・ワールド

 第1作目からいろいろ問題ありだった『ジュラシック・パーク』が4作目にしてついに開園。第1作目から20年……人で賑わっている園内の光景を見て、感慨深く思う。そのシーンに、第1作目から流れるジョン・ウィリアムズのテーマ曲が流れ(4作目の音楽はマイケル・ジアッチーノ)、ああ『ジュラシック・パーク』に戻ってきたんだ、という気分にさせる。
 しかし、映画史上初めての恐竜CGで人々を驚嘆させたあの感動も、今となっては過去のもの。人々は「ただの恐竜CG」は飽きている。そこで古代史には存在しない、まったく新しい恐竜キャラクターの導入だ。そうすると、いよいよもって「恐竜映画」から「怪獣映画」へ向かい始める……3作目の時点で「怪獣だ」と明言していたけれども。より刺激的なものを求め、過激な映像、強烈なキャラクターを求めていくのは現代人の性だから仕方ない。
 ふと、『ジュラシック・パーク』なんてものは現実に可能なのだろうか……とか考えてしまう。遺伝子研究が進み、絶滅種の再生が可能になると、『ジュラシック・パーク』的な施設がいつかできるのだろうか……。
 園内の様子で恐竜の子供と触れ合える場面とかあったが、ああいった場面を見るとアメリカ的だなぁ……と思ってしまう。過度なエンターテインメント性。アメリカで『恐竜ランド』を作ったら、やっぱりああなるんだろうなぁ……。
 もちろん、そんな「愉快な恐竜ランド」の話が平穏無事に進むわけがない。DNA操作で生まれた新種インドミナス・レックスが人を欺いて脱走。そこからは映画的に楽しい展開が始まる。
 『ジュラシック・ワールド』は第1作目との対比が多い。映画の途中、第1作目のあの施設が発見され、少しだが探索するシーンがある。そこでもやはりジョン・ウィリアムズのテーマ曲が流れ、第1作目の気持ちに引き戻してくれる。
 シリーズの悪役と言えばラプトルだが、『ワールド』では人間に調教され、ハンターとして一緒に戦うようになる。ラプトルと一緒にバイクで走るシーンは、胸躍るものがある。
 ラプトルの顔もだいぶ変わった。シリーズの悪役として、今までは凶悪でいやーな感じに思えたが、今回のラプトルはちょっと可愛く見える。ちゃんと可愛く見えるように作ってある。
 ラプトルを従え、新種インドミナス・レックスと対峙する。そのシーンの構図が、第1作目と同じ構図で状況を反転させたものになっている。1作目と対比しながら、この作品ならではの差異を見せている。

 4作目にしてようやく営業開始した『ワールド』。大がかりな群衆シーンがあちこちにあり、見応え充分の作品。ただ……登場人物がやや多く感じられた。登場人物それぞれの行方が描かれていくが、それ故にちょっと展開がもたつくような。主要人物を除いた人々の顛末も、そこまでドラマチックでもないし。そこがちょっと気になったかな。

4月12日

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