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スピッツ「子グマ!子グマ!」 君が遠くなっても 笑っていられそう 強がっていられそう

なんとも、ファンタジー感満載の曲名ですね。そうなんですが、しっかりと深いメッセージが込められたスピッツの一曲になっています。不思議な題名を付けるものです。アルバム「醒めない」(2016年7月27日リリース)の3曲目。

歌詞に登場する「君」を「子グマ」になぞらえていると解釈してよさそうです。

子を持つ親なら、この「子グマ!子グマ!」はわが子の成長や旅立ちを、寂しいと思いながらも、喜んでいるトーンの曲だと思うでしょうね。私もそのメッセージとしか受け取れませんね。

男親にとって息子なんか自由に生きればいいし、好きにしろと思い込んでいたけど、子どもが大学進学で家を出て行ったときには自分の想像以上に寂しさが大きかったもんなあ。しばらく子どもが出て行った後の家で、涙を流したことも。妻はもちろん、ショックが大きかったようだしね。

さすがに5年も経つとだいぶ慣れてきて、元気でさえいてくれれば、全然平気で、子どもとは年に何回も話さないぐらいなんですけどね。最近、夏休みで帰ってきたときは、音楽やYouTube、お笑い芸人の話など、たわいない話で盛り上がったなあ。

歌詞を見ていきます。

「はぐれたら 二度と会えない覚悟は つらいけど 頭の片隅にいた
半分こにした 白い熱い中華まん 頰張る顔が好き」

はぐれたら二度と会えない、はちょっと大げさな気もするけど、大学や就職で地元を離れたら、その後の人生で、親とは100回も顔を合わさない可能性もありますもんね。
年に2回、帰省するとしても、こっち側はあと30年も生きているかどうかも分からない。となると、「もう子どもと会うのは50回ぐらいか」なんて考えると、確かに寂しくなりますね。

「喜びの温度はまだ 心にあるから
君が駆け出す時 笑っていられそう」

私は、子どもの旅立ちの日、妻を見ていて涙腺がゆるみ、子どもを見て、必死で手を振った。笑っていられなかったな。

「トロフィーなどいらないからこっそり褒めて
それだけであと90年は生きられる
仕事じゃなく少しサイケな夜 バイバイ僕の分身」

子どもに「褒めて」って言うかしら?まあ、言うか。
父の日に、手作りのトロフィーとかメダルとかをもらったっけなあ。

「バイバイ僕の分身」は文字通り、子どもと受け取って大丈夫かなあ。
ちょっと草野さんとしては、分かりやすすぎるような気もしなくもない。

「子グマ!子グマ!荒野の子グマ おいでおいでするやつ 構わず走れ
子グマ!子グマ!逃げろよ子グマ 暗闇抜けて もう少しだ」

子グマになぞらえて、わが子を応援するようなメッセージを込めた曲?

「君が遠くなっても 笑っていられそう 強がっていられそう」

親はみんな、この曲聴いて、泣くなあ。たぶん泣くよ。

2022年9月20日 トラジロウ

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