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◆アートヴィレッジとうおん コラムⅢ◆ ~ミュージカルの二本の柱~

季節が夏から秋へ、そして冬へとむかっています。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今回はアートヴィレッジとうおん コラム第3弾です。9月頭に上演されたガラコンサートへの想い、そして今後の企画についても綴られています。

筆者:忠の仁(ただのじん)氏 -演出家/作詞家-
桐朋学園大学短期大学部演劇専攻科卒業。早稲田小劇場に入団し、2年間を過ごした後、ミュージカル劇団いずみたくフォーリーズに入団。その後独立し、1991年オフィスJINを設立。舞台芸術学院ミュージカル科本科の担任を経て、東温市地域おこし協力隊に就任。
現在は東温アートヴィレッジセンターにて、とうおん舞台芸術アカデミーのアカデミー長を務める。

~ミュージカルの二本の柱~

先日第3回目のガラコンサートが無事に終わった。東京から5名のキャストを呼んだことで、楽屋を愛媛組と東京組とに分けたり、色々と対策を練って、どうにか公演にこぎつけた。

毎年やっていたブロードウェイ中心のガラコンサートではなくて、坊っちゃん劇場の過去作品を取り上げたスペシャルなステージとして、坊っちゃん劇場のファンの方にも楽しんで貰おうと企画したのだ。

というか、僕自身が坊っちゃん劇場の作品を11作目の『52days』以降しか生で見たことがないので、それ以前の公演を、DVDではなく実際にこの目で見てみたい気持ちが強かった。しかもその舞台で演じたオリジナルの役者さんを呼んでのステージである。やはり直接見ると感動もひとしおだった。昔からのファンの方たちには懐かしく感動も新たに出来ただろうし、新しいファンの方たちには、僕がそうであるように、全編を通して観たい欲求に駆られただろうことは想像に難くない。

ただソーシャル・ディスタンスを踏まえて、キャパの半分しか座席を確保しなかった公演だったのに、満席にならなかったのは残念である。宣伝が遅れたことが原因だろうが、まだコロナの影響が収まらない時点での劇場公演に、二の足を踏んだ観客の方もいらしただろう。いつ終焉を迎えるか分からないけれど、来年はこれが繰り返すことのないように望むしかない。

さて、来年のガラコンサートをどうすればいいか? 去年までの東京から大物ゲストを招いてのブロードウェイ・ミュージカルの名曲集に戻すべきか、それとも今回のように坊っちゃん劇場の懐かしいナンバーを中心に構成するか?

実はその答えとなるような公演をやる予定だった。坊っちゃん劇場の過去作品を一つだけに絞って、シアターNESTに於て芝居込みでハイライト上演をする『想い出の小箱』シリーズをしようとしたのだ。
しかしコロナの嵐に巻き込まれるように、5月の公演は延期になってしまった。でも今回のガラコンサートをやったおかげで、この『想い出の小箱』シリーズをやりたいという僕の願いに火がついた。第1回目は作曲の深沢桂子さんと主演の五十嵐可絵さんをゲストに『幕末ガール』をやるつもりだった。
今後、スケジュール調節をして『幕末ガール』や『鶴姫伝説』など過去の名舞台を順次取り上げたいと思う。深沢さんは5月の初回のみの特別ゲストだが、それ以降は、主役のゲスト一人に近藤誠二さんや脇山尚美さんでのミニ・ミュージカル公演になる。どうやって少人数で上演するかは僕の腕の見せ所でもある訳だが、役者にとっては一つの挑戦と受け止めて欲しい。
ブロードウェイ・ミュージカルと、坊っちゃん劇場オリジナル・ミュージカルの二本の柱で東温市に新しい風が吹くことを望んでいる。


2020.9.16        忠 の 仁

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