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心の浄化週間〜DAY4〜

「咲いたぞ!2輪も。」と玄関先で夫が叫ぶ。
「ホント?」とサンダルをつっかけて、玄関ドアから顔だけだして確認する。
紫の朝顔が並んで私の顔を見上げた。
息子が学校から持って帰ってきた朝顔の鉢植えに水をやるのが日課になっている夫は、息子を起こしに3階にあがっていった。嬉しくてたまらないようだ。

今日は日曜日。晴れたらプールに行こうと息子と昨晩お風呂で約束した。昨日の雷雨が嘘のように真っ青な空が広がっている。空気はむぁっとしていて、じんわりと汗が吹いてくる。
湿気が家に入って来ないように、急いでドアを閉める。

ピーッピーッと、炊飯器が炊き上がりを知らせてくれた。しゃもじを水で湿らせ蓋を開けると、お米がいつもより立っている気がする。
しゃもじをいれて、サクッと一混ぜする。
やはりいつもより、お米一粒一粒が弾力がありしっかり主張している。

「いただきまーす。」息子が勢いよく茶碗に手を伸ばす。「今日のご飯、美味しいね。」
「やっぱり?お母さんもちょっと違うと思ってたんだ。」と箸でつかみ、口に運ぶ。
ひとつひとつの米粒を感じることができ、甘みは少ないが噛むと弾力があり、これはこれで美味しい。
「これね、あそこのフリマで1袋150円で売ってたから買ってきたの。賞味期限切れてたけど捨てたら可哀想じゃん。」と、輪ゴムで口を縛ったビニールの米袋をみせる。
新潟県産こしいぶき、1kgと書いてある。
「噛みごたえがあるね。」と夫。
「おかわりー。」と息子。
「ちょっと水を3ミリくらい多めにして炊いてみたんだ。正解だった。」と私。
茶碗の中に立っている米粒をみて、私みたいね、と思いながら噛み締めた。

今日は都知事選挙の投票日だ。
新しい風が吹くのか期待しながら投票を済ませ、市民プールへ出かけた。
息子は最近クロールで10メートルくらい泳げるようになった。溺れてるんじゃないかと思うフォームだが一生懸命に前に進む。
夫が見本を見せる。私が腕の回し方を指導する。
だんだんとフォームが良くなってくる。
素直にマネする、ということが上達の近道だ。

プールから帰ってきて、ステーキが食べたいと息子が言うので、行きつけのステーキハウスへ出かけた。いつもは夫と私のステーキを息子に1/3ずつ取り分けるのだが、最近の息子の食欲は尋常じゃないので、大人と同じメニューを注文した。
ペロッと平らげてしまった。


今日は七夕。都知事選は現職に当確がでた。
挑戦者たちの願いは叶わなかったが、何か変わって欲しい。変えて欲しいという気持ちはどこかに影響を残したと思いたい。
私もこの1週間の休暇が終わったら今のチームを去ることになる。私の願いもどこかに影響を残したと思いたい。

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