サンタクロース~01.怖い顔のトト
1 怖い顔のトト
「トトが来たぞ! 早く逃げないと、食べられちゃうぞ!」
夕暮れの公園に男の子の声が響き渡ると、それまで遊んでいた子供たちが、足元の落ち葉をかき分けながら一斉にかけ出しました。
「ふんっ!」
と鼻を鳴らすと、逃げまどう子供にはいっさい目をくれず、公園の中をトトは悠然と歩いていきます。
「ガキどもが、ふざけやがって……」
髪の毛は、もうほとんどが真っ白。独身で顔は少し釣り上がった目と鷲のような鼻。背が高いのに痩せていて、人付き合いもせず、無口でめったに感