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リンゴ

君とこのリンゴを分け合いたかった
たとえその時自分が死んでしまうとしても
本当を突き止めても仕方がないよ
多面鏡の前では自分ですらも信じられないから
君があの時あの場所で、どんな気持ちでいたか
本当の所、誰にも分からない、神だって知らない
だけど、だから、私は君の表面を愛す

君とこのリンゴについて語り合いたかった
たとえその時、種まで赤いリンゴだったとしても
真実を暴いても悲しいだけだよ
別の愛を知って、日常の自分を思い出すから
君があの時あの場所で、どんな気持ちでいたか
本当の所、誰にも分からない
自覚なき嘘は神すらも騙されるのだから
だけど、だから、私は目を瞑ってリンゴを口にする

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眠れない夜に

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